外国人材で建設業の人手不足を解消:特定技能・技能実習制度の活用と成功事例
国土交通省の推進により、建設分野での外国人材受け入れが本格化しています。特定技能制度では土木・建築・ライフライン設備の3業務区分で即戦力となる外国人の採用が可能となり、技能実習からの移行も活発に行われています。一方で、在留資格の種類や申請手続き、JACへの加入義務など、建設分野特有のルールも多く、何から始めればよいか迷う企業も少なくありません。本記事では、建設業における外国人材活用の最新動向から実践的な採用ノウハウ、よくある質問への回答まで、人手不足解消を目指す建設会社に役立つ情報をお届けします。
- 建設業における外国人材活用の現状と人手不足解消に向けた国の施策
- 特定技能・技能実習など建設業で活用できる在留資格の種類と特徴
- 建設分野の特定技能制度の詳細(業務区分・JAC加入・試験要件)
- 外国人材採用のメリット・デメリットと受け入れ時の注意点
- 採用から定着支援までの流れと失踪・早期退職を防ぐマネジメント方法
目次
建設業における外国人材活用の現状と背景

建設業界では深刻な人手不足が続いており、外国人材の活用が喫緊の課題となっています。高齢化による熟練技術者の引退と若者の建設業離れが進む中、外国人労働者は建設現場を支える重要な戦力として注目されています。国土交通省も外国人材の受け入れ拡大を推進しており、特定技能制度や技能実習制度を活用した採用が活発化しています。
深刻化する建設業界の人手不足と高齢化問題
建設業界は日本の社会インフラを支える重要な産業ですが、慢性的な人材不足に直面しています。建設業就業者の高齢化は著しく、55歳以上の就労者が全体の約3割を占める一方、29歳以下の若い働き手は1割程度にとどまっています。今後10年間で大量の熟練技術者が引退を迎えることが予測され、技能の継承と労働力の確保が業界全体の課題となっています。また、建設現場の厳しい労働環境や3K(きつい・汚い・危険)のイメージから、若者の建設業離れが進んでいることも人手不足に拍車をかけています。このような状況下で、外国人材の活用は人材不足を解消する有効な手段として期待されています。
外国人労働者数の推移と建設現場での活躍
建設業における外国人労働者数は年々増加傾向にあり、建設現場での存在感を高めています。国籍別ではベトナム人、中国人が特に多く、ほかにもフィリピン人、インドネシア人、ネパール人、ミャンマー人なども多く活躍しています。在留資格別では技能実習生が最も多く、次いで特定技能、身分系在留資格(永住者・定住者等)の順となっています。外国人労働者は型枠施工、鉄筋施工、とび、左官、配管など幅広い職種で従事しており、日本人技術者と共に建設現場を支えています。特に技能実習制度で来日し、技能を修得した後に特定技能へ移行するケースが増えており、長期的な戦力として期待される外国人材も増加しています。
国土交通省が推進する外国人材受け入れ施策
国土交通省は建設業の人手不足解消に向けて、外国人材の受け入れ拡大を積極的に推進しています。2019年に創設された特定技能制度では、建設分野が16分野の一つとして指定され、即戦力となる外国人材の受け入れが可能になりました。建設分野は他の分野と異なり、国土交通省による建設特定技能受入計画の認定が必要であり、適正な受け入れ体制の構築が求められています。また、建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録を義務化することで、外国人労働者のキャリア形成と技能の見える化を促進しています。さらに、日本建設業連合会(日建連)やJAC(建設技能人材機構)と連携し、外国人材の適正な処遇確保と技能向上を支援する体制を整備しています。
建設業で外国人材を雇用できる在留資格の種類

建設業で外国人を雇用するためには、就労が認められる適切な在留資格を持つ人材を採用する必要があります。在留資格によって従事できる業務内容や在留期間、受け入れ要件が異なるため、自社のニーズに合った在留資格を理解することが重要です。ここでは、建設業で活用できる主な在留資格について詳しく解説します。
特定技能制度:即戦力として建設現場で活躍
特定技能は2019年に創設された在留資格で、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を即戦力として受け入れることができます。特定技能1号では最長5年間の在留が認められ、特定技能2号に移行すれば在留期間の上限がなくなり、家族の帯同も可能になります。建設分野では土木、建築、ライフライン・設備の3つの業務区分があり、型枠施工、鉄筋施工、とび、内装仕上げ、配管など幅広い作業に従事できます。技能実習2号を修了した外国人は、技能試験が免除されるため、スムーズに特定技能へ移行することが可能です。特定技能外国人は転職が認められているため、魅力的な労働環境を整備して定着を図ることが重要となります。
技能実習制度:国際貢献と技能修得を目的とした受け入れ
技能実習制度は、開発途上国への国際貢献を目的として、外国人に日本の技能を修得させる制度です。技能実習生は監理団体を通じて受け入れ、最長5年間(1号1年+2号2年+3号2年)の実習が可能です。建設分野では22職種33作業が対象となっており、型枠施工、鉄筋施工、とび、左官、配管、塗装など多様な職種で受け入れができます。技能実習生は原則として転職ができないため、計画的な人材育成が可能である一方、適正な労働条件の確保と技能習熟のための指導体制が求められます。技能実習2号を良好に修了すれば特定技能1号への移行が可能であり、長期的な人材確保の手段としても活用されています。
技能ビザ:熟練した技術者の雇用
在留資格「技能」は、外国に特有の建築や土木に関する熟練した技能を持つ外国人を雇用するための在留資格です。具体的には、中国式建築や韓国式建築など、日本では習得が困難な特殊な建築技術を持つ技術者が対象となります。10年以上の実務経験が必要とされるなど、要件が厳しいため、一般的な建設作業員の採用には適していません。在留期間は最長5年で更新が可能であり、長期的な雇用が見込めます。寺社仏閣の建築や伝統的な外国建築の施工など、特殊な技能を必要とするプロジェクトにおいて活用されることが多い在留資格です。
身分系在留資格:永住者・定住者・配偶者等
永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等といった身分に基づく在留資格を持つ外国人は、就労制限がなく、どのような業務にも従事することができます。建設業においても、日本人と同様にあらゆる作業に携わることが可能であり、単純作業から技術的な業務まで幅広く任せられます。在留期間の更新も比較的容易で、長期的な雇用が期待できる点がメリットです。ただし、身分系在留資格を持つ外国人の数は限られており、採用市場での獲得競争が激しいのが現状です。ハローワークや求人サイトを活用した募集に加え、外国人コミュニティへのアプローチも有効な採用手段となります。
資格外活動許可:留学生のアルバイト雇用
留学生など本来就労が認められていない在留資格を持つ外国人でも、資格外活動許可を取得すれば週28時間以内のアルバイトが可能です。建設業においても、資格外活動許可を持つ留学生を軽作業や補助的な業務で雇用するケースがあります。ただし、就労時間の制限を超えて働かせると不法就労となり、雇用主にも罰則が科される可能性があるため注意が必要です。在留カードの確認と就労時間の管理を徹底し、適正な雇用管理を行うことが求められます。留学生の中には卒業後に建設業への就職を希望する人材もおり、アルバイト期間中に適性を見極め、将来的な正社員採用につなげることも可能です。
建設分野の特定技能制度を詳しく解説

建設分野における特定技能制度は、他の分野と比較して独自のルールや要件が設けられています。国土交通省による厳格な管理のもと、外国人材の適正な受け入れと処遇確保が図られています。ここでは、建設分野特有の制度内容や申請手続き、必要な試験について詳しく解説します。
特定技能1号と2号の違いと在留期間
特定技能には1号と2号の2種類があり、それぞれ在留期間や要件が異なります。特定技能1号は通算で最長5年間の在留が認められ、相当程度の知識または経験を必要とする業務に従事します。一方、特定技能2号は熟練した技能を要する業務に従事する在留資格で、在留期間の上限がなく、更新を続けることで長期的な就労が可能です。特定技能2号では配偶者や子どもの家族帯同も認められており、日本での永住を視野に入れたキャリアアップが可能となります。建設分野では特定技能2号への移行が認められており、技能検定1級の合格や班長としての実務経験などが要件となっています。1号から2号への移行を支援することで、優秀な外国人材の長期定着を図ることができます。
建設分野で従事できる業務区分(土木・建築・ライフライン設備)
建設分野の特定技能では、2022年の制度改正により業務区分が「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3つに再編されました。土木区分では、型枠施工、コンクリート圧送、とび、建設機械施工、土工、鉄筋施工などの作業に従事できます。建築区分では、型枠施工、左官、コンクリート圧送、とび、屋根ふき、内装仕上げ、表装などの建築系作業が対象です。ライフライン・設備区分では、電気通信、配管、建築板金、保温保冷などの設備系作業に従事できます。業務区分内であれば複数の作業に従事することが可能となり、多能工としての活躍が期待できます。企業は採用時に従事させる業務区分を明確にし、適切な特定技能外国人を選定することが重要です。
建設特定技能受入計画とJACへの加入義務
建設分野で特定技能外国人を受け入れるには、国土交通省による「建設特定技能受入計画」の認定を受ける必要があります。この計画では、適正な賃金水準の設定、安全衛生教育の実施、技能向上のための取り組みなどを記載し、外国人材の適正な処遇を確保することが求められます。また、受入企業はJAC(建設技能人材機構)への加入が義務付けられています。JACは一般社団法人として、特定技能外国人の適正な受け入れを支援する機関であり、会員企業は正会員または賛助会員として会費や負担金を支払う必要があります。JACでは技能試験の実施、海外での人材募集、受入企業への相談支援などを行っており、建設分野における外国人材受け入れの中核的な役割を担っています。
技能試験・日本語試験の合格要件
特定技能1号の在留資格を取得するためには、技能試験と日本語試験の両方に合格する必要があります。技能試験は「建設分野特定技能1号評価試験」として実施され、各業務区分に応じた専門的な知識と技能が問われます。試験は日本国内だけでなく、ベトナム、フィリピン、インドネシアなど海外でも実施されており、現地採用を検討する企業にとって有利な環境が整っています。日本語試験は「日本語能力試験(JLPT)N4以上」または「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」の合格が要件です。ただし、技能実習2号を良好に修了した外国人は技能試験と日本語試験が免除されるため、技能実習からの移行がスムーズに行えます。試験情報や申込み方法はJACの公式サイトで確認できます。
建設業で外国人材を採用するメリット

建設業における外国人材の採用は、単なる人手不足の解消にとどまらず、企業にさまざまなメリットをもたらします。若い労働力の確保から職場の活性化、長期的な人材育成まで、外国人材の活用は建設会社の持続的な成長を支える重要な経営戦略となっています。ここでは、建設業で外国人材を採用する具体的なメリットについて解説します。
若い労働力の確保と現場の活性化
建設業界では若者の入職者が減少し、就業者の高齢化が深刻な問題となっています。外国人材の多くは20代から30代の若い世代であり、体力を必要とする建設現場において貴重な戦力となります。特に技能実習生や特定技能外国人は、母国での就労機会を求めて来日する意欲の高い人材が多く、建設業でのキャリア形成に前向きな姿勢を持っています。若い外国人材が加わることで、現場に新しい活気が生まれ、日本人の若手社員にとっても良い刺激となります。また、外国人材の存在が職場のマンネリ化を防ぎ、組織全体の活性化につながるケースも多く見られます。将来の技術者不足に備え、若い外国人材を計画的に育成することは、企業の競争力維持に欠かせない取り組みです。
真面目で熱心な外国人材の働きぶり
外国人材の多くは、日本で働く機会を得るために厳しい試験や選考を経て来日しており、仕事に対する意欲と責任感が非常に高い傾向にあります。母国の家族を支えるために真面目に働く姿勢は、多くの受入企業から高く評価されています。特にベトナム人やミャンマー人は勤勉で熱心な国民性を持つとされ、建設現場でも積極的に技能を修得しようとする姿勢が見られます。インドネシア人は協調性があり、チームワークを重視する現場に適しています。外国人材の真面目な働きぶりは日本人社員にも良い影響を与え、職場全体のモチベーション向上につながることがあります。ただし、個人差があることを理解し、一人ひとりの適性を見極めた配置と指導が重要です。
技能実習から特定技能への移行による長期雇用
技能実習制度と特定技能制度を組み合わせることで、最長10年間の長期雇用が実現可能です。技能実習1号から3号までの5年間で基礎的な技能を修得し、その後特定技能1号に移行すればさらに5年間の就労が認められます。さらに特定技能2号に移行できれば、在留期間の上限がなくなり、半永久的な雇用も視野に入ります。長期間にわたって同じ外国人材を雇用することで、技能の熟達が進み、即戦力として現場を任せられる人材に成長します。また、長期雇用により採用コストや教育コストの削減にもつながります。技能実習生の受入時から将来の特定技能移行を見据えた育成計画を立てることで、計画的な人材確保が可能になります。
異文化交流による職場環境の改善効果
外国人材を受け入れることで、職場に多様な価値観や文化が持ち込まれ、異文化交流が生まれます。異なるバックグラウンドを持つ人材との協働は、日本人社員の視野を広げ、コミュニケーション能力の向上につながります。また、外国人材を受け入れるために労働環境や安全教育の見直しを行う企業も多く、結果として職場全体の環境改善が進むケースがあります。マニュアルの多言語化や「やさしい日本語」の導入は、日本人社員にとっても分かりやすい説明方法の確立につながります。さらに、海外展開を視野に入れる企業にとっては、外国人材の母国とのネットワーク構築や、現地の商習慣を学ぶきっかけにもなります。異文化共生の経験は、グローバル化が進む建設業界において企業の強みとなります。
外国人材受け入れ時の注意点とデメリット

外国人材の受け入れには多くのメリットがある一方で、注意すべき点やデメリットも存在します。言語や文化の違いによるコミュニケーションの課題、法令遵守の徹底、生活面でのサポートなど、受入企業として対応すべき事項は多岐にわたります。これらの課題を事前に理解し、適切な対策を講じることで、外国人材との良好な雇用関係を築くことができます。
言語の壁と安全教育の徹底
建設現場では安全確保が最優先事項であり、言語の壁は深刻な労働災害につながるリスクがあります。外国人材の日本語能力は個人差が大きく、特に来日直後は専門用語や現場特有の表現を理解することが困難な場合があります。安全教育においては、母国語での説明資料の用意や、イラスト・写真を活用した視覚的なマニュアルの作成が効果的です。ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語、タガログ語、ネパール語など、外国人材の母国語に対応した安全教育教材を整備している企業も増えています。また、現場での指示には「やさしい日本語」を活用し、短く明確な言葉で伝えることが重要です。職長や先輩社員への異文化コミュニケーション研修も、安全な職場環境づくりに役立ちます。
労働条件と同一労働同一賃金の遵守
外国人労働者を雇用する際は、日本人と同等以上の労働条件を確保することが法律で義務付けられています。同一労働同一賃金の原則に基づき、同じ業務に従事する場合は国籍に関係なく同等の賃金を支払う必要があります。特定技能外国人については、建設特定技能受入計画において適正な賃金水準の設定が求められ、国土交通省による審査が行われます。賃金だけでなく、労働時間、休日、有給休暇、社会保険加入などの労働条件も日本人と同様に適用しなければなりません。不当に低い賃金や過酷な労働環境は、失踪や早期退職の原因となるだけでなく、法令違反として罰則の対象にもなります。適正な労働条件の確保は、外国人材の定着と企業の信頼性向上につながる重要な取り組みです。
不法就労を防ぐための在留資格確認
外国人を雇用する際は、在留カードを確認し、就労が認められる在留資格を持っているかを必ず確認する必要があります。不法就労者を雇用した場合、雇用主にも「不法就労助長罪」が適用され、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。在留カードの確認ポイントとしては、在留資格の種類、在留期間の期限、就労制限の有無などがあります。また、在留カードの偽造も増加しているため、出入国在留管理庁のウェブサイトで在留カード番号の有効性を確認することも推奨されます。在留期間の更新時期を管理し、期限切れによる不法滞在を防ぐことも雇用主の責任です。適正な在留資格管理は、企業を法的リスクから守るとともに、外国人材の安定した就労を支える基盤となります。
文化・宗教への配慮と生活支援
外国人材はそれぞれ異なる文化的背景や宗教を持っており、これらへの配慮が職場での円滑な人間関係構築に不可欠です。例えば、イスラム教徒のインドネシア人は1日5回の礼拝や豚肉・アルコールを避ける食事制限があり、仏教徒が多いミャンマー人やベトナム人には特定の祝日が重要な意味を持ちます。これらの宗教的・文化的慣習を理解し、可能な範囲で配慮することが、外国人材との信頼関係構築につながります。また、来日後の生活支援も重要な課題です。住居の確保、銀行口座の開設、携帯電話の契約、ゴミ出しルールの説明など、日常生活に関するサポートが必要となります。生活面での困りごとが仕事に影響することも多いため、定期的な面談や相談窓口の設置により、問題の早期発見・解決を図ることが大切です。
建設業における外国人材の採用から受け入れまでの流れ

建設業で外国人材を採用するには、在留資格に応じた手続きや準備が必要です。人材紹介会社や監理団体の選定から始まり、面接・選考、在留資格申請、入国後の受け入れ準備まで、一連の流れを理解しておくことが重要です。ここでは、特定技能・技能実習を中心に、外国人材の採用から受け入れまでの具体的なステップを解説します。
人材紹介会社・監理団体の選定と求人募集
外国人材の採用を検討する際、まず信頼できる人材紹介会社または監理団体を選定することが重要です。特定技能外国人を採用する場合は、海外に提携機関を持つ人材紹介会社を通じて候補者を募集するのが一般的です。技能実習生を受け入れる場合は、監理団体を通じた団体監理型での受け入れが主流となっています。選定のポイントとしては、建設分野での紹介実績、対応可能な国籍、サポート体制の充実度、費用の透明性などが挙げられます。また、登録支援機関としての認定を受けているかどうかも確認すべき点です。求人募集にあたっては、必要な職種・人数、求める日本語レベル、給与・労働条件などを明確にし、人材紹介会社や監理団体と綿密に打ち合わせを行うことで、ミスマッチを防ぐことができます。
面接・選考から雇用契約締結まで
候補者が決まったら、面接による選考を行います。海外在住の候補者の場合は、現地での対面面接またはオンライン面接が一般的です。面接では技能レベルや日本語能力の確認に加え、仕事への意欲、長期勤務の意思、日本での生活に対する理解度などを総合的に評価します。通訳を介した面接となることが多いため、質問内容を事前に整理し、候補者の人柄や適性をしっかりと見極めることが大切です。選考を通過した候補者には、労働条件を明示した雇用契約書を提示し、内容を十分に説明した上で締結します。雇用契約書は日本語と候補者の母国語の両方で作成し、賃金、労働時間、業務内容、福利厚生などを明確に記載することが求められます。
在留資格申請と出入国在留管理庁への届出
雇用契約締結後は、在留資格の申請手続きに進みます。海外から新規に招へいする場合は「在留資格認定証明書交付申請」を行い、国内在住の外国人を採用する場合は「在留資格変更許可申請」が必要です。申請先は出入国在留管理庁(入管)で、審査には1〜3ヶ月程度かかるため、入社予定日から逆算して早めに手続きを開始することが重要です。建設分野の特定技能については、入管への申請に先立ち、国土交通省への「建設特定技能受入計画」の認定申請が必要となります。また、外国人を雇用した場合は、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」が義務付けられており、届出を怠ると30万円以下の罰金が科される可能性があります。在留資格に関する手続きは複雑なため、行政書士や登録支援機関のサポートを受けることをおすすめします。
入国後の受け入れ準備と労働環境整備
外国人材の入国が決まったら、受け入れ準備を進めます。住居の確保は最も重要な準備事項の一つで、会社寮の提供や賃貸物件の契約支援を行う企業が多いです。家具・家電の準備、生活必需品の用意、最寄りのスーパーや病院の情報提供なども入国前に整えておくと、スムーズな生活開始につながります。また、職場環境の整備として、安全教育用の多言語マニュアル作成、作業手順書の翻訳、緊急連絡先一覧の多言語化なども必要です。入国後は生活オリエンテーションを実施し、ゴミ出しルール、交通ルール、緊急時の対応方法などを説明します。特定技能外国人の場合は、登録支援機関による義務的支援として、生活オリエンテーションや公的手続きへの同行支援が実施されます。受け入れ初期の丁寧なサポートが、外国人材の早期定着に大きく影響します。
外国人材の定着支援と労働環境づくり

外国人材を採用した後、いかに定着させるかが企業にとっての重要な課題です。せっかく採用・育成した人材が早期に退職してしまっては、採用コストや教育投資が無駄になってしまいます。外国人材が長く働き続けられる職場環境を整備し、継続的なサポートを提供することで、定着率の向上と技能の熟達を実現できます。
日本語教育とやさしい日本語でのコミュニケーション
外国人材の定着と技能向上において、日本語能力の習熟は非常に重要な要素です。日本語能力が向上すれば、現場での指示理解がスムーズになり、安全性の向上や作業効率の改善につながります。企業として日本語教育を支援する方法としては、社内での日本語講習の実施、外部の日本語学校への通学支援、オンライン学習ツールの提供などがあります。また、日常のコミュニケーションでは「やさしい日本語」を活用することが効果的です。やさしい日本語とは、難しい言葉を言い換え、短い文で分かりやすく伝えるコミュニケーション方法です。例えば「養生する」を「保護シートをかける」、「墨出し」を「印をつける」など、専門用語をかみ砕いて説明することで、外国人材の理解度が大幅に向上します。ひらがなを多用した掲示物や、イラスト入りのマニュアルも有効な手段です。
建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設技能者の資格や就業履歴を蓄積・管理するシステムで、外国人材を含むすべての建設技能者の登録が推進されています。特定技能外国人については、CCUSへの登録が義務化されており、受入企業は適切な登録手続きを行う必要があります。CCUSに登録することで、外国人材の技能レベルや経験年数が客観的に証明され、キャリアアップの道筋が明確になります。技能レベルに応じた処遇改善の根拠としても活用でき、外国人材のモチベーション向上につながります。また、CCUSのデータは在留資格の更新申請時にも活用でき、就労実績の証明として役立ちます。外国人材自身も、自分のキャリアが可視化されることで、日本での長期的な就労に対する意欲が高まります。
社会保険加入と労働災害防止の取り組み
外国人労働者も日本人と同様に、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険への加入が義務付けられています。社会保険への加入は外国人材の生活安定につながるとともに、企業のコンプライアンス遵守を示す重要な要素です。特に建設業は労働災害のリスクが高い業種であり、万が一の事故に備えた労災保険の適用は必須です。労働災害を防止するためには、外国人材が理解できる言語での安全教育が不可欠です。入場時の新規入場者教育、毎朝の安全朝礼、KY(危険予知)活動などにおいて、外国人材が十分に理解できるよう配慮が必要です。安全標識や警告表示の多言語化、危険箇所へのピクトグラム設置なども効果的な対策です。また、厚生年金については、帰国時に脱退一時金を受け取れる制度があることを外国人材に説明しておくと、社会保険料の負担に対する理解が得られやすくなります。
失踪・早期退職を防ぐためのマネジメント
外国人材の失踪や早期退職は、受入企業にとって大きな損失となります。失踪の主な原因としては、賃金への不満、過酷な労働環境、人間関係のトラブル、生活面での孤立感などが挙げられます。これらを防ぐためには、まず適正な賃金と労働条件を確保し、約束した内容を誠実に履行することが基本です。定期的な面談を実施し、仕事や生活における困りごとを早期に把握・解決する体制を整えることも重要です。外国人材の母国語で相談できる窓口の設置や、同じ国籍の先輩社員によるメンター制度の導入も効果的な対策です。また、給与の仕組みや昇給の条件を明確に説明し、将来の見通しを持たせることで、長期勤務への意欲を高めることができます。一時帰国の機会を設けるなど、家族と離れて暮らす外国人材の心理面にも配慮したマネジメントが求められます。
建設業の外国人材活用に関するよくある質問

建設業で外国人材の採用を検討する企業からは、在留資格や採用手続き、労働条件、受け入れ準備などに関するさまざまな疑問が寄せられます。ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。外国人材の採用を成功させるための参考にしてください。
採用・在留資格に関する質問
- 建設業で外国人材を採用するにはどの在留資格が適していますか?
- 建設業で外国人材を採用する場合、主に特定技能、技能実習、身分系在留資格(永住者・定住者等)が活用されています。即戦力を求める場合は特定技能、長期的な人材育成を重視する場合は技能実習が適しています。身分系在留資格を持つ外国人は就労制限がなく、幅広い業務に従事させることが可能です。自社のニーズや受け入れ体制に応じて最適な在留資格を選択してください。
- 技能実習生を特定技能に移行させることはできますか?
- 技能実習2号を良好に修了した外国人は、技能試験と日本語試験が免除され、特定技能1号への移行が可能です。同じ職種での移行であれば、スムーズに手続きを進めることができます。技能実習3号修了者も同様に移行が可能です。移行により、最長で通算10年間の雇用が実現でき、長期的な人材確保につながります。
- 特定技能2号に移行するための要件は何ですか?
- 建設分野で特定技能2号に移行するためには、技能検定1級または建設分野特定技能2号評価試験への合格が必要です。また、班長として一定期間の実務経験を有することも要件となっています。特定技能2号に移行すると、在留期間の上限がなくなり、配偶者や子どもの家族帯同も認められるため、優秀な外国人材の長期定着が期待できます。
労働条件・待遇に関する質問
- 外国人材の給与はどのように設定すればよいですか?
- 外国人材の給与は、同じ業務に従事する日本人と同等以上に設定する必要があります。特定技能外国人については、建設特定技能受入計画において適正な賃金水準の設定が求められ、国土交通省による審査が行われます。地域や職種の相場を参考にしつつ、経験や技能レベルに応じた適正な給与を設定してください。不当に低い賃金は、法令違反となるだけでなく、失踪や早期退職の原因にもなります。
- 外国人材にも残業や休日出勤をさせることはできますか?
- 外国人材にも日本人と同様に、36協定の範囲内で残業や休日出勤を命じることが可能です。ただし、労働基準法に基づく割増賃金の支払いが必要であり、過度な長時間労働は避けなければなりません。労働条件は雇用契約書に明記し、外国人材が理解できる言語で説明することが重要です。
- 外国人材の社会保険加入は義務ですか?
- 外国人材も日本人と同様に、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険への加入が義務付けられています。在留資格や国籍に関係なく、適用要件を満たす場合は必ず加入させる必要があります。なお、帰国時には厚生年金の脱退一時金を請求できる制度があることを外国人材に説明しておくとよいでしょう。
受け入れ準備・定着支援に関する質問
- 外国人材の住居はどのように確保すればよいですか?
- 外国人材の住居確保は受入企業の重要な責任の一つです。会社寮を提供する方法、賃貸物件の契約を支援する方法などがあります。外国人が賃貸契約を結ぶ際は、保証人の問題や外国人入居不可の物件があるため、企業のサポートが必要となるケースが多いです。登録支援機関を利用している場合は、住居確保支援を依頼することも可能です。
- 日本語が苦手な外国人材への安全教育はどうすればよいですか?
- 日本語が十分でない外国人材への安全教育は、多言語マニュアルの活用、イラストや写真を使った視覚的な教材の作成、「やさしい日本語」での説明などが効果的です。ベトナム語、インドネシア語、ミャンマー語など、外国人材の母国語に対応した安全教育動画や教材も市販されています。また、通訳を介した教育や、日本語が堪能な先輩外国人社員によるOJTも有効な方法です。
- 外国人材が失踪した場合はどうすればよいですか?
- 外国人材が失踪した場合は、まず警察への届出と出入国在留管理庁への報告を行う必要があります。技能実習生の場合は監理団体への連絡、特定技能外国人の場合は登録支援機関への連絡も必要です。失踪を防ぐためには、日頃から定期的な面談を実施し、仕事や生活面での困りごとを早期に把握・解決することが重要です。適正な労働条件の確保と、外国人材が相談しやすい環境づくりが失踪防止の基本となります。
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見積りで負けたことがありません
弊社は、特定技能、技能実習生ともに採用費用、ランニングコスト(3~5年)の総額で最安値を提供しています。なぜこのような価格を実現できるのでしょうか?理由は簡単で「無駄なコストが多すぎるので、極力削減した」ことと、「他社が高すぎる」ためです。
外国人材の採用は制度が複雑なこともあり、採用企業の方に知識がないのをいいことにあの手この手で費用を高くとる支援機関が多いのが現状です。例えば申請書作成費用は仲介の会社が行政書士に依頼をしたりしますが、このコストが区々で、中抜きをかなりしているのではないか?と思うくらいの金額を提示する会社が後を絶たず、。その分高くなります。弊社はランニングコストを最安値にするためにも、こういった作業での仲介料は極限まで安く抑えております。初期の採用費用だけでなくトータルの費用で他社と比較してみてください。高品質を担保した中での最安値であることを保証します。

月額の管理費用も最安値!
弊社は、人数が多くなるほど1名当たりの管理費用(実習生:監理費、特定技能:支援費)の単価が安くなる「管理費スライド制」を採用しています。これは、特に人数を多く採用する企業にとって、非常にメリットが大きい制度です。
特に特定技能は実習生と違い、採用人数に制限がありません(介護・建設業を除く)。一部の企業様は自社支援を検討されますが、果たしてそれは最善でしょうか?弊社は自社支援より安価な支援の完全委託をご提案します。
弊社は人数が増えると単価が安くなるため、数十人以上の規模になりますと、驚きの単価です。弊社へ委託いただければ、支援部署の貴重な日本人材を他の場所へ配属することができます。弊社は支援に特化したスタッフ複数人が掛け持ちで担当いたします。突発的な事象にも対応いたしますので、人材コスト削減だけでなく、リスクの軽減にもつながります。
さらに、年間の管理コストにご注意ください。ほとんどの支援機関、協同組合(監理団体)が、支援費、監理費以外に「○○費用」という名目で徴収したり、外注費用を案内したりしています。弊社は、支援費、監理費を最低限に削減していますが、それ以外の費用を請求することや、外注費用を案内することは一切いたしません。

安くても充実したサポート!
弊社のお客様は、ほとんどが「初めて外国人を採用する」会社様・個人事業主様ですので、不安点の解消は必須だと考えております。特に、給与水準、昇給、配属の相談、業務の切り分け、効率の良い指揮系統の作り方、失敗しないマネジメント方法の教授など、他社では行えないサポート体制を確立させております。特定技能1号と技能実習生と両方雇用可能な業種の場合、どちらがいいのかヒアリングさせていただき、適切な方をお勧めいたします。ご依頼前でも費用はいただきませんので、お気軽にご連絡ください。メールフォーム、LINE、お電話のいずれにも対応いたしております。

カバー率90%以上。アジアのほぼ全域に求人可能!
弊社は、アジア14か国以上の国に提携機関を持っており、その90%に求人を出すことが可能です。これにより、弊社以外との併用は不要になります。例えば、ベトナムでは580社の現地代理店のうち、550社以上と連絡が取れ、インドネシアでは330社中300社以上と連絡が取れ、そのほかの国も90%以上の現地代理店と連絡可能です。
また、業種ごとに適切な人材を熟知しているため、特定技能1号人材、技能実習生のどちらがおすすめか、また、不適切な人材の採用によるリスクを避けることができます。国籍ごとの特色、入国までの時間、その他条件により適材は区々です。そのため、弊社では選考段階から適合性を考慮し、これまで採用後の転職件数が0件です。
