人手不足とされる建設分野で外国人が就労可能な在留資格特定技能制度。この記事では、外国人材に特化した人材紹介会社である外国人材株式会社が、建設分野の特定技能制度について、受入れ要件や就業者条件、建設業特定技能試験の詳細や特定技能「建設」以外の在留資格までくわしく解説します。

建設業の特定技能とは?

介護分野の特定技能とは?

特定技能は外国人を雇用できる在留資格制度の1つで、深刻化する人材不足の中、国内人材の確保のための取組を行っても人材を確保することが難しい12分野(14分野から再編)14業種(介護、ビルクリーニング業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空運輸業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)の特定産業分野で受け入れていました。2024年(令和6年)3月29日、さらに物流企業などが雇用できる自動車運送業や、鉄道、林業、木材産業の4分野が追加され、16分野になることが決定しました。

建設業界は、老朽化するインフラのメンテナンスや、防災・減災、国土強靱化、都市の国際競争力の強化などを確実に推進していく必要があることから、今後も需要が見込まれています。さらに、2024年(令和6年)4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことから、2028年(令和10年)に必要となる建設技能者数は推定310万人となります。 しかし、若手の労働力不足や技術者の高齢化などで、建設技能者数は2028年(令和10年)には24万人が不足する見込みです。建設業界は、以前よりICT等の活用や処遇改善など、生産性向上や国内人材確保のための取組を進めていますが、それでもなお人手不足が見込まれています。そこで、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れることで、建築分野の存続や発展を維持しようと2019年(平成31年)4月より創設された特定技能制度の対象分野となりました。

特定技能には、最初に取得し通算5年間働くことができる1号と、1号取得後に実務経験や試験合格等で移行が可能な2号があります。2号は在留期限の上限なく働くことができ、家族を日本に呼び寄せることもできます。特定技能1号の在留期間は「1年、6か月、4か月」ごとのいずれかで、特定技能2号の場合は「3年、1年又は6か月」ごとのいずれかに在留資格を更新する必要があります。2号に移行できるのは2022年までは建設と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、2023年に介護分野を除き11分野になりました。出入国在留管理庁の発表によると、令和5年12月時点で日本社会で活躍する特定技能在留外国人の人数は全分野の特定技能1号の総数が208,425人なのに対して、建設分野の特定技能は24,433人と11.7%を占めています。

※参考:厚生労働省「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」、出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和5年12月)」、総務省

建設業の特定技能 概要まとめ

就業者条件

①+②(②はどちらか1つ合格)

  1. ①建設分野特定技能1号評価試験もしくは技能検定3級
  2. 日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月と12月年2回開催]
  3. 国際交流基金日本語基礎テスト[常時開催]

※技能試験 国内試験日程はこちら
※技能試験 国外試験日程はこちら
※JFT日本語 国内試験日程はこちら
※JFT日本語 国外試験日程はこちら

※技能実習生修了者は上記①②ともに免除

雇用人数条件
法人単位で常勤人数の同数まで受け入れ可能
雇用企業条件
以下の登録が必要です。
  1. 建設業法第3条許可の取得
  2. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
  3. 建設技能人材機構(JAC)への加入

建設分野の特定技能外国人の受入れ要件

建設分野の特定技能を取得している外国人労働者は、実際にどのように働くことが可能なのでしょうか。ここでは、特定技能制度を利用して建設業界で働く場合の対応可能な業務内容や、事業所の受け入れる人数の上限、働くことが可能な期間、雇用契約条件などを解説していきます。

対応可能な業務

建設業で受け入れる特定技能外国人が従事する業務は、当初は業務区分が19区分(建築板金・内装仕上げ・表装・建築大工・コンクリート圧送・型枠施工・建設機械施工・鉄筋施工・トンネル推進工・とび・土工・屋根ふき・電気通信・左官・鉄筋継手・配管・吹付ウレタン断熱・保温保冷・海洋土木工)と細分化されており、業務範囲が限定的でした。そのため建設業に係る作業の中で特定技能に含まれないものは、特定技能外国人技術者に任せることができませんでした。就労の在留資格を得ている外国人が、与えられた在留資格の範囲を超えて賃金が発生する業務を行うと、不法就労となってしまいます。

その後、2022年(令和4年)8月の閣議決定により、業務区分が土木区分、建築区分、ライフライン・設備区分の3区分に統合され、業務範囲も拡大されました。再編され建設関係の技能実習職種を含む建設業に係る全ての作業を新区分に分類されたことで、特定技能外国人技術者に任せることができる業務が増えました。従事する作業は、土木現場や建築現場など現場を問わず実施が可能です。

土木区分

土木区分では、指導者の指示・監督を受けながら、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業等に従事することができます。

主な業務内容
  1. 型枠施工
  2. コンクリート圧送
  3. トンネル推進工
  4. 建設機械施工
  5. 土工
  6. 鉄筋施工
  7. とび
  8. 海洋土木工
  9. その他、土木施設の新設、改築、維持、修繕に係る作業
想定される関連業務
  1. 原材料・部品の調達・搬送
  2. 機器・装置・工具等の保守管理
  3. 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
  4. 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業

建築区分

建築区分では、指導者の指示・監督を受けながら、建築物の新築、増築、改築もしくは移転又は修繕もしくは模様替えに係る作業等に従事することができます。

主な業務内容
  1. 型枠施工
  2. 左官
  3. コンクリート圧送
  4. 屋根ふき
  5. 土工
  6. 鉄筋施工
  7. 鉄筋継手
  8. 内装仕上げ
  9. 表装
  10. とび
  11. 建築大工
  12. 建築板金
  13. 吹付ウレタン断熱
  14. その他、建築物の新築、増築、改築若しくは移転、修繕、模様替又は係る作業
想定される関連業務
  1. 原材料・部品の調達・搬送
  2. 機器・装置・工具等の保守管理
  3. 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
  4. 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
  5. 清掃・保守管理作業
  6. その他、主たる業務に付随して行う作業

ライフライン・設備

ライフライン・設備区分では、指導者の指示・監督を受けながら、電気通信、ガス、水道、電気その他のライフライン・設備の整備・設置、変更または修理に係る作業等に従事することができます。

主な業務内容
  1. 電気通信
  2. 配管
  3. 建築板金
  4. 保温保冷
  5. その他、ライフライン・設備の整備・設置、変更又は修理に係る作業
想定される関連業務
  1. 原材料・部品の調達・搬送
  2. 機器・装置・工具等の保守管理
  3. 足場の組立て、設備の掘り起こしその他の後工程の準備作業
  4. 足場の解体、設備の埋め戻しその他の前工程の片付け作業
  5. 清掃・保守管理作業
  6. その他、主たる業務に付随して行う作業

※参考:法務省・国土交通省特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領

受入れ人数の上限と期間

建設分野の特定技能外国人の受け入れ人数には制限があります。特定技能1号の在留資格で受け入れる外国人の数は、受け入れ企業の常勤の職員(外国人技能実習生、1号特定技能外国人を除く)の総数を超えてはいけません。例えば社長1人の会社であれば特定技能の外国人技術者は1人まで、社員が10名であれば10人が上限です。技能実習生、外国人建設就労者、特定技能1号は常勤として算入できませんが、技人国は算入できます。建設分野の特定技能外国人は、1つの事業所だけで働くわけではなく、さまざまな現場に出向いて働くことが想定されます。そのため、支援が必要な1号特定外国人を監督者が適切に指導し育成するためには、一定の常勤雇用者が必要となります。

建設業分野の特定技能は1号と2号があり、特定技能1号からスタートし、要件を満たすことで特定技能2号に進むことができます。特定技能1号は通算で最長5年、特定技能2号は期間の制限がありません。 外国人は国内外から受け入れが可能ですが、雇用契約する前に、「技能検定3級」または「建設分野特定技能1号評価試験」の技能評価試験と、「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」の日本語に関する試験に合格する必要があります。

雇用形態と労働条件

建設分野の特定技能制度の雇用形態は、原則として正社員・フルタイムでの直接雇用のみです。派遣雇用が認められているのは農業分野・漁業分野だけとなっています。週5日、30時間以上の勤務が必要となり、アルバイトやパート、派遣といった短時間での雇用形態は認められていません。

受け入れる企業は、外国人と結ぶ雇用契約が適切であり法令順守していることや、外国人を支援する体制があることなどの受入れ基準を満たす必要があります。雇用契約が満たすべき基準の1つには、外国人であることを理由として報酬や労働条件などに差別的な取り扱いがなされていないことが必要となります。そのため、労働する特定技能外国人に支払われる報酬額は、日本人が従事する場合の額と同等以上であることが求められ、時間外手当、深夜手当、休日手当などの各種手当についても、日本人の従業員に対する待遇と同様にする必要があります。特定技能外国人が母国への一時帰国を望んだら、やむを得ない場合を除き、有給休暇を許可する必要があります。

また、外国人への10の義務的支援として、事前ガイダンスの提供、生活オリエンテーション、出入国する際の送迎、住居確保・生活に必要な契約支援、生活のための日本語教育、日本人との交流促進、公的手続等への同行、相談・苦情への対応、定期的な面談・行政機関への通報、転職支援(自己都合退職以外)といった、海外からの入国前から出国までの就労と生活を支援する体制も、事前に支援計画の策定が必要です。

受け入れ企業の要件

建設分野分野で特定技能外国人を受け入れる場合、業務内容が厚生労働省が公表している職務記述書に適合しているか、直接雇用であるかという他にも、建築物環境衛生総合管理業の登録、建設分野分野特定技能協議会の加入などのいくつかの条件があります。ここでは、その内容を解説します。

建設業法第3条許可の取得

建設分野特定技能外国人の受入企業は、建設業法第3条の許可を受けていることが必要です。具体的には、建設特定技能受入計画に建設業許可番号を記載し、有効期間内の建設業許可通知書(許可通知書または許可証明書)の写しが必要となります。

建設業法第3条の許可は、軽微な建設工事のみを請け負う場合を除き、すべての建設業者に取得が求められます。土木工事業、建築工事業、大工工事業、左官工事業、とび・土工工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロツク工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業記の28の業種ごとに行われ、営業する業種ごとに取得する必要があります。

※参考:国土交通省「建設業許可(建設業法第3条)」

建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録

2019年4月から一般財団法人建設業振興基金によって運用が開始された建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設技能者の資格、現場の就業履歴、社会保険の加入状況等を業界横断的に登録・蓄積する仕組みです。建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録された情報を元に、技能者の評価が適切に行われ処遇の改善に結びつけることや、技能者を雇用し育成する企業が伸びていける業界環境を作ることを目的としています。

建設特定技能受入計画の認定要件の1つとして、受入企業と1号特定技能外国人の建設建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録が必要です。具体的には、建設特定技能受入計画に建設キャリアアップシステム登録後に交付される建設キャリアアップシステム事業所番号(事業者ID)を記載し、事業者IDを確認する書類が必要となります。これに加えて、日本国内に在留している外国人を雇用する場合には、建設キャリアアップ技能者IDを記載し、建設キャリアアップカードの写しが必要となります。また、海外から来日する外国人を雇用する場合には、入国後原則として1ヶ月以内に技能者IDを記載し、建設キャリアアップカードの写しが必要となります。

建設キャリアアップシステムの申請方法は、インターネット申請と窓口(認定登録機関)申請の2つの方法があります。くわしくは、運営主体である一般財団法人建設業振興基金のホームページをご確認ください。

参考:一般社団法人建設技能人材機構「建設キャリアアップシステムへの登録」

建設技能人材機構(JAC)への加入

建設分野の特定技能外国人を受入れるためには、国内唯一の特定技能外国人受入事業実施法人である、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入が必要です。建設技能人材機構(JAC)の会員になるには、1.正会員団体の会員になるルート、2.JACの賛助会員になるルートの2つがあります。

正会員団体の会員になるルート

50以上の建設業者で構成されている正会員団体のいずれかに加入することで、どの職種でも特定技能外国人の受入れが可能になります。入会に際しては、建設業者団体が定める会費の負担等が必要です。金額や会費・受入負担金の支払い方法は団体によって異なります。

建設技能人材機構(JAC)の賛助会員になるルート

建設技能人材機構(JAC)の賛助会員になることで特定技能外国人の受入れが可能になります。一般社団法人建設技能人材機構のホームページにある入会資料をダウンロードし、エントリーフォームから入会申請し、必要書類の送付をします。その後入会審査で承認されると会員証が発行されます。費用は入会金はなしで年会費24万円を支払う必要があります。

受入企業は、年会費の他に1号特定技能外国人1人につき毎月12,500円受入負担金を負担する必要があります。この受入負担金は、1号特定技能外国人に負担させてはいけません。 受入負担金は、教育訓練及び技能評価試験の実施、試験合格者や試験免除者の就職や転職の支援、受入企業及び1号特定技能外国人に対する巡回指導ならびに母国語相談ホットライン業務など、建設技能人材機構(JAC)が特定技能外国人受入事業実施法人として実施する共同事業に充てられます。

特定技能外国人の適正な就労環境の確保を担う適正就労監理機関として、一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)があります。建設技能人材機構(JAC)からの委託を受け、特定監理団体及び受入建設企業に対して巡回指導を行うほか、「FITS相談ホットライン」を開設し、外国人建設就労者の母国語による電話相談をおこないます。国土交通大臣は、JACの改善指導を受けた受入企業や認定受入計画の実施状況を重点的・定期的に確認する必要があると判断した受入企業については、重点監査企業として適正就労監理機関であるFITSに監査をさせます。また、国土交通大臣から建設特定技能受入計画の認定を受けた受入企業は、特定技能外国人の受入れ後、一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)が実施する建設特定技能受入後講習を受講させることが義務付けられています。

参考:一般社団法人建設技能人材機構「建設技能人材機構(JAC)の会員になる2つのルート」、一般財団法人国際建設技能振興機構(FITS)「一般財団法人国際建設技能振興機構とは」

特定技能「建設」試験合格から就労までの流れ

ここでは、海外で建設分野特定技能の在留資格を取得し日本で就労する外国人を雇用する場合と、技能実習や留学、その他の在留資格を取得し日本国内に既に在留している外国人を雇用する場合の試験合格から就労までの流れをご紹介します。

建設分野特定技能で海外から来日する外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 特定技能の外国人労働者と雇用契約を結ぶ
  3. 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
  4. 在留資格認定証明書の交付申請を地方出入国在留管理局に提出
  5. 在留資格認定証明書の受領
  6. 在外公館での査証(ビザ)発給申請
  7. 査証(ビザ)の受領
  8. 入国
  9. 就労開始

建設分野特定技能で日本国内に在留している外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 特定技能の外国人労働者と雇用契約
  3. 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
  4. 在留資格の変更許可申請を地方出入国在留管理局に提出
  5. 「特定技能1号」への在留資格変更
  6. 就労開始

どちらも契約締結後に受入れ機関等による事前ガイダンスや健康診断を実施し、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請をする場合は、受入れ機関の概要、特定技能雇用契約書の写し、1号特定技能外国人支援計画、日本語能力を証明する資料、技能を証明する資料などを提出します。受け入れた事業所は、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、外国人への生活支援などを適切に実施し、出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出が義務となっています。

また、フィリピン人の特定技能外国人を受け入れる場合は、独自のルールがあります。日本の受け入れ機関は、フィリピン政府からの認定を受けた送出機関を通じて人材の紹介を受け、採用活動を行うことが求められ、送出機関との間で人材の募集や雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結が求められます。また、労働条件を記載した雇用契約書のひな形、募集取決め、求人・求職票等をフィリピンの移住労働者事務所(MWO)に郵送する必要があります。

※参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」、「フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ

特定技能「建設分野」の就業者条件とは?

特定技能「建設分野」の就業者条件とは?

建設業界は深刻な人手不足ではありますが、どんな外国人でも建設分野特定技能の取得者になれるわけではありません。建設分野特定技能を取得して働くためには、建設分野業務で必要なスキルを問う試験や、日本語能力試験や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)試験などの基本的な日本語に関する試験合格などの一定の技能水準が必要になります。ここでは、建設分野特定技能取得の必要な条件などを、くわしく解説していきます。

建設分野の技能試験と語学試験の合格が条件

外国籍の方の建設分野の特定技能取得には、建設分野の一定の専門性・技能及び日本語能力を証明するために、以下の試験両方に合格する必要があります。

  1. 建設分野特定技能1号評価試験もしくは技能検定3級
  2. 日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
就業者条件

①+②(②はどちらか1つ合格)

  1. ①建設分野特定技能1号評価試験もしくは技能検定3級
  2. 日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月と12月年2回開催]
  3. 国際交流基金日本語基礎テスト[常時開催]

※技能試験 国内試験日程はこちら
※技能試験 国外試験日程はこちら
※JFT日本語 国内試験日程はこちら
※JFT日本語 国外試験日程はこちら

※技能実習生修了者は上記①②ともに免除

ここでは、それぞれの試験をくわしく紹介していきます。

1.建設分野特定技能1号評価試験・技能検定3級

建設分野特定技能評価試験は、一般社団法人建設技能人材機構が主催しており、日本の建設業界で働くために必要な能力を備えているかを判定します。 試験は、「土木」「建築」「ライフライン・設備」の3区分で実施されています。業務区分「土木」の技能評価試験に合格すると、型枠施工、コンクリート圧送、トンネル推進工、建設機械施工、土工、鉄筋施工、とび、海洋土木工などの土木工事に携わる仕事に、業務区分「建築」の技能評価試験に合格すると、型枠施工、左官、コンクリート圧送、屋根ふき、土工、鉄筋施工、鉄筋継手、内装仕上げ、表装、とび、建築大工、建築板金、吹付ウレタン断熱などの建築工事に携わる仕事に就くことができ、業務区分「ライフライン・設備」の技能評価試験に合格すると、電気通信、配管、建築板金、保温保冷などのライフライン・設備に携わる仕事に就くことができるようになります。

受験資格は、日本国内で建設分野に就業する意思のある日本国籍以外の外国人で、試験日に満17歳以上(インドネシア国籍の人は、満18歳以上)である必要があります。 学科試験と実技試験があり、どちらもコンピューターを利用したCBT(ComputerBasedTesting)で国内外で行われます。出題形式は真偽法・2〜4択式で、合格基準は合計点の65%以上、試験時間は学科試験は60分、実技試験は40分です。合格発表や合格者数、合格率などの試験結果情報や、学科試験、実技試験どちらもテキストやサンプル問題、参考資料は一般社団法人建設技能人材機構(JAC)のホームページからダウンロードできます。試験は日本語での開催ですが、テキストは日本語版の他にも、英語版、インドネシア語版、ベトナム語版、タガログ語版、ウズベク語版、クメール語版、シンハラ語版、タミル語版、ネパール語版、ベンガル語版、モンゴル語版、タイ語版、中国語版などの各国語に翻訳されたものが公開されています。受験予約申し込みは、試験運営サービスのプロメトリック(Prometric)のWebサイトより行うことができます。試験についての詳しい情報は、(一社)建設技能人材機構のWebサイトでご確認ください。

技能検定とは、働くうえで身につけるまたは必要とされる技能の習得レベルを評価する日本人も受験する国家検定です。特定技能制度とは別の日本に滞在するための在留資格である技能実習生を対象とした随時試験があり、技能実習更新のために受験します。基礎級、3級、2級の3つの階級があり、3級は、初級の技能労働者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度になります。3級は、基礎級合格者が対象です。 学科試験と実技試験があり、3級の学科試験の出題形式は二者択一式で、合格基準は概ね60~70点以上、実技試験は製作等作業試験、判断等試験、計画立案等作業試験のうちから1つ以上で行われ、2〜3時間かかります。合格基準は60点以上です。

※参考:厚生労働省「技能実習生等向け技能検定の概要

2.日本語能力試験・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

日本語能力試験は、文字や語彙、文法の知識や、実際のコミュニケーションがとれるかを総合的に判断する学科試験で、コンピュータを使って四肢択一で解答するCBT(ComputerBasedTesting/コンピューター・ベースド・テスティング)⽅式で実施されます。レベルは5段階あり、建設分野の特定技能ではN4(基本的な日本語の理解)以上が必要となります。母語が日本語でない方であれば、年齢国籍問わず受験が可能です。合格発表は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営する日本語能力試験公式サイト上で公開されています。

国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を判定する学科試験で、コンピュータを使って解答するCBT(ComputerBasedTesting)⽅式で実施されます。受験資格は、日本国籍を持たず、日本語を母語としない者であること、試験日にインドネシア国籍の方は満18歳以上、ミャンマー国籍の場合、満17歳以上である必要があります。また、日本国内で受験する場合は在留資格が必要となります。テスト結果は、当日終了後、パソコン画面に総合得点と判定結果が表示されます。

※参考:PROMETRICSpecifiedSkilledWorkerTests「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」、国際交流基金・日本国際教育支援協会「試験科目と問題の構成

特定技能建設分野以外の在留資格「技能実習」

建設分野の在留資格には、特定技能制度以外にも、外国人技能実習制度が存在します。 特定技能人材は絶対数が少ないため、技能実習生の受け入れを先にご検討いただくことをお勧めいたします。

※2024年6月、技能実習制度を廃止して新たに「育成就労制度」を設けるとした方針が決定。施行は3年後の予定で、建設分野も対象となる見込みです。

建設分野技能実習生とは

在留資格「技能実習」とは、外国人技能実習制度を利用して「技能実習生」となり、最長5年間日本に滞在するための在留資格です。監理団体を介して受け入れを行う団体監理型と企業自身で受け入れを行う企業単独型の受け入れ方法により2つに分類され、その中で1号、2号、3号と3つの区分があります。技能実習の目的は、日本の技術や知識などを本国に持ち帰って広める国際貢献のためのものであるため、母国へ帰国するのが基本となりますが、建設分野の技能実習制度の2号を修了した外国人は、日本から出国せず建設分野特定技能に移行することも可能です。

建築業界は、特定技能評価試験の年間実施回数が少なく、実技試験があるため、実務経験がないと、外国人にとって合格は容易ではありません。技能実習生で3年間日本での就業経験者の即戦力人材として採用する考えの場合は最適です。しかし、年々、実習生修了者は減っています。確実性を求めるのであれば、技能実習生の方を先に受け入れる方針を、まずご検討いただくことをお勧めします。実習生3年終了後に特定技能へ移行するのは問題ありません。

他社で実習生3年修了して、特定技能で別会社を希望する国内人材は、1ヶ月程度で在留資格変更完了し就業可能です。過去に実習生を3年修了し、一旦母国へ帰国した人材が再入国時に特定技能を取得する場合は、先にJAC加盟後「就労管理システム」の認定が必要です。この認定が、1ヶ月〜5ヶ月と、地区と時期によってとても不安定で、就業時期が読みにくくなっています。その面では技能実習生の方が確実で、5ヶ月以上かかった場合、入管への申請はその後になり、技能実習生の方が、早く入国できます。

技能実習2号から特定技能1号への移行対象職種・作業

建設分野における、技能実習2号の職種・作業と特定技能で従事しようとする業務との関連性をご紹介します。 土木区分では、建設機械・器具の使用その他の土木工事に関する基本的な知識・経験等に基づく作業、安全衛生等の点で関連性が認められ、建築区分では、建築物の整備に関する基本的な知識・経験等に基づく作業、安全衛生等の点で関連性が認められます。さらにライフライン・設備区分では、ライフライン・設備に係る機能の継続性や円滑な道路交通の確保に配慮しながら行う工事に関する知識・経験等に基づく作業、安全衛生等の点で関連性が認められます。

技能実習 特定技能
職種名 作業名 分野(業務区分)
さく井 パーカッション式さく井工事 建設(土木)
ロータリー式さく井工事
ウエルポイント施工 ウエルポイント工事 建設(土木)
建設機械施工 押土・整地 建設(土木)
積込み
掘削
締固め
型枠施工 型枠工事 建設(土木)、建設(建築)
鉄筋施工 鉄筋組立て 建設(土木)、建設(建築)
とび とび 建設(土木)、建設(建築)
コンクリート圧送施工 コンクリート圧送工事 建設(土木)、建設(建築)
建具製作 木製建具手加工 建設(建築)
建築大工 大工工事 建設(建築)
石材施工 石材加工 建設(建築)
石張り
タイル張り タイル張り 建設(建築)
かわらぶき かわらぶき
左官 左官 建設(建築)
内装仕上げ施工 プラスチック系床仕上げ工事 建設(建築)
カーペット系床仕上げ工事
鋼製下地工事
ボード仕上げ工事
カーテン工事
サッシ施工 ビル用サッシ施工 建設(建築)
防水施工 シーリング防水工事 建設(建築)
表装 壁装 建設(建築)
築炉 築炉 建設(建築)
建築板金 ダクト板金 建設(建築)、建設(ライフライン・設備)
内外装板金
冷凍空気調和機器施工 冷凍空気調和機器施工 建設(ライフライン・設備)
配管 建築配管 建設(ライフライン・設備)
プラント配管 建設(ライフライン・設備)
熱絶縁施工 保温保冷工事 建設(ライフライン・設備)

※参考:出入国在留管理庁「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組

特定技能「建設分野」の外国人材受け入れならFHR

外国人材株式会社は、外国人材に特化した人材紹介会社で、特定技能、技能実習生ともに採用費用、ランニングコストの総額(3~5年)の総額で最安値を提供できるのが特徴です。受け入れ可能な職種は、建設の分野をはじめさまざまな業種に対応しています。人数が多くなるほど1名当たりの管理費用(実習生:監理費、特定技能:支援費)の単価が安くなる管理費スライド制を採用。その他無駄なコストを極力削減していますので、他社と比べる時はぜひ初期の採用費用だけでなくトータルの費用で比較してみてください。 また、安いだけでなくサポート体制も充実。給与水準、昇給、配属の相談、業務の切り分け、効率の良い指揮系統の作り方、失敗しないマネージメント方法の教授など、他社では行えないサポート体制を確立しております。 さらに、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ミャンマーなどアジア15カ国以上の国に提携機関を持っており、その90%に求人を出すことが可能です。業種ごとに、適切な人材を熟知しているため、特定技能1号人材、技能実習生のどちらがおすすめか、また、不適切な人材の採用によるリスクを避けることができます。まずはお気軽にご相談ください。