人手不足とされる漁業分野で外国人が就労可能な在留資格特定技能制度。この記事では、外国人材に特化した人材紹介会社である外国人材株式会社が、漁業分野の特定技能制度について、受入れ要件や就業者条件、漁業特定技能試験の詳細までくわしく解説します。

目次

  1. 漁業分野の特定技能とは?
  2. 漁業分野の特定技能の概要まとめ
  3. 漁業分野の特定技能外国人の受入れ要件
    1. 対応可能な業務
      1. 漁業(捕る)
    2. 受入れ人数の上限と期間
    3. 雇用形態と労働条件
    4. 受け入れ企業の要件
      1. 労働者派遣形態の場合、地方公共団体、漁業関連の組合や業務を行っている者が関与する
      2. 「漁業特定技能協議会」の構成員になり協力を行う
    5. 労働者派遣事業者の要件(特定技能基準省令)
      1. 1.漁業または漁業に関連する業務を行っている者であること
      2. 2.漁業または漁業に関連する業務を行っている者等が資本金の過半数を出資していること
      3. 3.漁業または漁業に関連する業務を行っている者等が業務執行に実質的に関与していると認められる者であること
    6. 特定技能「漁業」試験合格から就労までの流れ
      1. 漁業特定技能で海外から来日する外国人を採用する場合
      2. 漁業特定技能で日本国内に在留している外国人を採用する場合
  4. 特定技能「漁業」の就業者条件とは?
    1. 1号漁業技能測定試験と語学試験の合格が条件
      1. 1.1号漁業技能測定試験(漁業または養殖業)
      2. 2.日本語能力試験(JLPT)・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
  5. 特定技能漁業以外の在留資格
    1. 漁業技能実習制度
  6. 特定技能「漁業」の外国人材受け入れなら当社にお任せ

漁業分野の特定技能とは?

2018年12月に「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、2019年4月には出入国管理法(入管法)改正が行われ特定技能が創設されました。特定技能は、外国人を雇用できる在留資格制度の1つで、深刻化する人材不足の中、国内人材の確保のための取組を行っても人材を確保することが難しい16分野(介護、ビルクリーニング業、工業製品製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空運輸業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業や、鉄道、林業、木材産業)の特定産業分野で受け入れています。

令和4年3月25日に閣議決定された「水産基本計画」では、令和14年度の魚介類の生産目標を535万トンとしており、漁業分野において令和10年度に必要となる就業者数は17万人と推計されています。令和4年時点での漁業分野の有効求人倍率は、漁船員5.55倍、水産養殖作業員2.40倍と高い水準にあり、今後高齢者などの離職が進めば、令和4年度の就業者数12万6,000人は令和10年度には10万9,000人まで減少し、6万1,000人程度の漁業従事者が不足することが見込まれています。高齢化の他にも、不規則な労働時間や自然災害の危険性や過疎化での後継者不足、漁船のメンテナンスや漁網などの漁具の消耗、漁獲量の不安定さなども現状としてあり、著しい漁業就業者減少の要因といえるでしょう。現在漁業分野では、生産性向上のための取組として、ICT等を活用した効率化(沿岸漁業における漁場探索や、沖合・遠洋漁業における漁場形成予測)、かつお一本釣り機の開発、養殖業における自動給餌システムの活用、水中ドローン等による養殖場の見える化などの技術開発などをおこなっており、国内人材確保のための取組として、漁業就業相談会や漁業就業希望者に対する長期研修の実施、インターンシップ受入れ、就業後の経営・技術向上に対する支援、漁業学校で学ぶ若者への就業準備資金の交付、水産高校卒業生を対象とした海技士養成支援などをおこなっています。こうした取組によって毎年2,000人程度の新規就業者を確保してますが、それでもなお相当程度の漁業従事者の人手不足が見込まれています。

今後令和14年度の生産目標を達成することはもちろん、国民のニーズに応じた水産物を安定的に供給する体制を確保し、将来にわたり、海洋環境保全等といった漁業の多面的な機能が十分に発揮されるためには、一定の専門性・技能を有する特定技能外国人を受け入れることにより、日本の漁業の存続・発展を図ることが必要不可欠であると言えるでしょう。特定技能には、最初に取得し漁業や養殖業の会社や漁村等で通算5年間働くことができる1号と、1号取得後に実務経験や試験合格等で移行が可能な2号があります。熟練した技術を有する2号は在留期間の上限なく働くことができ、条件を満たせば永住や家族の帯同が可能です。特定技能1号は「1年、6か月、4か月」ごとのいずれか、特定技能2号の場合は「3年、1年または6か月」ごとのいずれかに在留資格を更新する必要があります。2号に移行できるのは2022年までは建設と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、2023年に閣議決定され、介護分野を除き11分野になりました。出入国在留管理庁の発表によると、令和6年6月時点で日本社会で活躍する特定技能在留外国人の人数は全分野の特定技能1号の総数が251,594人なのに対して、漁業分野の特定技能は3,035人と他の分野と比較すると少ない状況です。

漁業分野の特定技能の概要まとめ

対応業務[漁業]
漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保など
対応業務[養殖業]
養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保就業者条件
就業者条件

①+② (②はどちらか1つ合格)

  1. ①漁業技能測定試験合格
  2. 日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月と12月年2回開催]
  3. 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)[常時開催]

※JFT日本語 国内試験日程はこちら
※JFT日本語 国外試験日程はこちら

※技能実習生修了者は上記①②ともに免除

雇用企業条件
以下の登録が必要です。
  1. 労働者派遣形態の場合、地方公共団体、漁業関連の組合や業務を行っている者が関与する
  2. 「漁業特定技能協議会」の構成員になり協力を行う
雇用人数条件
無制限
実施予定国
国内外
試験言語
日本語
実施方法
筆記及び実技
試験内容
  • [漁業]
    • 1.筆記試験
      漁業全般及び安全衛生に係る知識及び業務上必要となる日本語能力を測定
    • 2.実技試験
      図やイラスト等から漁具・漁労設備の適切な取扱いや漁獲物の選別に係る技能を判断する試験により業務上必要となる実務能力を測定
  • [養殖業]
    • 1.筆記試験
      養殖業全般及び安全衛生に係る知識及び業務上必要となる日本語能力を測定
    • 2.実技試験
      図やイラスト等から養殖水産動植物の育成管理や養殖生産物の適切な取扱いに係る技能を判断する試験により業務上必要となる実務能力を測定

漁業分野の特定技能外国人の受入れ要件

漁業分野の特定技能を取得している外国人労働者は、実際にどのように働くことが可能なのでしょうか。ここでは、特定技能制度を利用して漁業業界で働く場合の業務内容や、事業所の受け入れる人数の上限、働くことが可能な期間、雇用契約条件などを解説していきます。

対応可能な業務

漁業分野の特定技能の業務は、「漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)」と「養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等)」の2つに分けられます。捕るのが漁業、育てるのが養殖業という違いがあります。

漁業(捕る)

漁業は、漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等が対象となります。

主な業務内容
  1. 釣りによる方法を主とした魚介類の捕獲(延縄漁、カツオ一本釣り漁、イカ釣り漁など)
  2. 網やカゴによる方法を主とした魚介類の捕獲(定置網漁、まき網漁、曳網漁など)
  3. 漁具(網、カゴなど)の修理作業
  4. ソナーや魚群探知機による魚群の探索
  5. 漁に使用する網・縄を巻き上げる機械(ネット・ラインホーラー)、自動イカ釣り機等の機械操作
  6. 魚市場や陸揚げ港での漁獲物の選別、函詰め、冷凍作業、下処理
  7. 漁港での漁獲物や漁具等の荷揚げ作業など
想定される関連業務
  1. 漁具・漁労機械の点検・換装
  2. 船体の補修・清掃
  3. 魚倉、漁具保管庫、番屋の清掃
  4. 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品その他の操業・生活資材の仕込み・積込み
  5. 出漁に係る炊事・賄い
  6. 採捕した水産動植物の生簀における畜養その他付随的な養殖
  7. 自家生産物の運搬・陳列・販売
  8. 自家生産物又は当該生産に伴う副産物を原料又は材料の一部として使用する製造・加工及び当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
  9. 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
  10. 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
  11. 社内外における研修

養殖業(育てる)

漁業は、漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等が対象となります。

主な業務内容
  1. 魚類や貝類、藻類などの育成
  2. 養殖魚の給餌、死んだ魚や残餌等の除去
  3. 養殖貝類の付着物の清掃
  4. 養殖水産動植物の収獲(穫)、魚市場や陸揚港への運搬作業
  5. 養殖貝類の殻剥き
  6. 養殖池や網の清掃、水質等の管理
  7. 養殖筏の製作、補修
  8. 養殖水産動植物の種苗の生産、採捕など
想定される関連業務
  1. 漁具・漁労機械の点検・換装
  2. 船体の補修・清掃
  3. 魚倉、漁具保管庫・番屋の清掃
  4. 漁船への餌、氷、燃油、食材、日用品その他の操業・生活資材の仕込み・積込み
  5. 養殖用の機械・設備・器工具等の清掃・消毒・管理・保守
  6. 鳥獣に対する駆除、追払、防護ネット・テグス張り等の養殖場における食害防止
  7. 養殖水産動植物の餌となる水産動植物や養殖用稚魚の採捕その他付随的な漁業
  8. 自家生産物の運搬・陳列・販売
  9. 自家生産物又は当該生産に伴う副産物を原料又は材料の一部として使用する製造・加工及び当該製造物・加工物の運搬・陳列・販売
  10. 魚市場・陸揚港での漁獲物の選別・仕分け
  11. 体験型漁業の際に乗客が行う水産動植物の採捕の補助
  12. 社内外における研修

こちらも、関連業務だけに従事することは認められません。また、2号特定技能外国人は、これに加え、漁業では、操業を指揮監督する者の補佐、作業員の指導及び作業工程の管理、養殖業では養殖を管理する者の補佐、作業員の指導及び作業工程の管理などを行います。特定技能外国人を船長や漁労長といったポジションにすることはできません。また、水産加工業は特定技能においては漁業ではなく、飲食料品製造業分野に含まれます。技能実習の水産加工業から特定技能の飲食料品製造業分野への移行も可能です。くわしくは、飲食料品製造業分野のページ等をご確認ください。

受入れ人数の上限と期間

特定技能制度は基本的に介護と建設分野以外受け入れ人数の制限はありません。漁業分野の特定技能は1号と2号があり、特定技能1号からスタートし、要件を満たすことで特定技能2号に進むことができます。特定技能1号の在留期間は通算で最長5年、特定技能2号は更新期間の制限がありません。

外国人は国内外から受け入れが可能ですが、雇用契約する前に、漁業分野特定技能1号評価試験や日本語に関する試験に合格する必要があります。漁業分野特定技能1号評価試験は、試験日に17歳以上(インドネシア国籍の人は18歳以上)であることや、国内の場合は在留資格があること(短期滞在も可)が受験する条件になります。

雇用形態と労働条件

特定技能制度の雇用形態は、原則として正社員・フルタイムでの直接雇用のみとしていますが、漁業分野では、同じ地域であっても対象魚種や漁法などによって繁忙期・閑散期の時期が異なることや、漁業分野の事業者の多くが零細で半島地域や離島地域などに存在していることなどの特性があります。地域内における業務の繁閑を踏まえた労働力の融通、雇用・支援の一元化といった漁業現場のニーズに対応するため、直接雇用形態に加えて、労働者派遣形態の受け入れも認められています。特定技能外国人が大都市圏その他の特定の地域に過度に集中して就労することにならないように、農林水産省は、地方に点在する漁村における人手不足の状況を適切に把握し、外国人を受け入れる環境を整えるため、漁業活動やコミュニティ活動の核となっている漁業協同組合などが、受入れ外国人との円滑な共生において適切な役割を果たすために必要な支援を行うとしています。受け入れ企業は、外国人と結ぶ雇用契約が適切であり労働、社会保険、租税に関する法令を順守していることや、外国人を支援する体制があることなどの受入れ基準を満たす必要があります。労働法令違反が5年以内にないことや、1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと、受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないことなども条件となっています。雇用契約が満たすべき基準の1つには、外国人であることを理由として報酬や労働時間、労働条件、職場環境などに差別的な取り扱いがなされていないことが必要となります。そのため、労働する特定技能外国人に支払われる報酬額は、日本人が従事する場合の額と同等以上であることが求められ、時間外手当、深夜手当、休日手当などの各種手当についても、日本人の従業員に対する待遇と同様にする必要があります。特定技能外国人が母国への一時帰国を望んだら、やむを得ない場合を除き、有給休暇を許可する必要があります。外国人が帰国の際に、渡航費の負担が難しい場合は、特定技能所属機関が負担します。

また、義務的支援として、生活オリエンテーション、出入国する際の送迎、住居の確保、生活のための日本語教育、相談・苦情、定期的な面談、転職支援(自己都合退職以外で雇用する側が人員整理をする場合など)、行政機関への通報などの海外からの入国前から出国までの就労と生活を支援する体制も、事前に支援計画の策定が必要です。この他にも、出入国在留管理庁やハローワークに定期的または随時各種届出を提出する必要があります。たとえば定期の届出では受入れ状況や活動状況に関する届出、随時の届出では特定技能雇用契約および登録支援機関との支援委託契約に係る変更、終了、新たな契約の締結に関するものなどがあります。これらの届出をしなかったり、虚偽の届出などの違反が発覚した場合には、指導や罰則の対象となりますので注意が必要です。一般社団法人大日本水産会のWebサイトでは、船員法や労働基準法における注意点や生活習慣などの違いからくるトラブルなどをまとめた漁業分野の受入れマニュアルが公開されています。特定技能外国人の受入機関は、外国人材にとっての適正な労働環境を整えるためにもこういったマニュアルを確認し、参考にすると良いでしょう。

受け入れ企業の要件

漁業分野で特定技能外国人を受け入れる場合、業務内容が厚生労働省が公表している職務記述書に適合しているかという他にも、漁業分野特有の基準に適合するなどいくつかの条件があります。ここでは、その内容を解説します。

労働者派遣形態の場合、地方公共団体、漁業関連の組合や業務を行っている者が関与する

労働者派遣形態(船員派遣形態を含む)の場合、特定技能所属機関となる労働者派遣事業者(船員派遣事業者を含む)は、地方公共団体または漁業協同組合、漁業生産組合もしくは漁業協同組合連合会その他漁業に関連する業務を行っている者が関与する必要があります。

「漁業特定技能協議会」の構成員になり協力を行う

特定技能所属機関は、漁業分野の特定技能外国人を受入れる場合には、水産庁が主宰する漁業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会である「漁業特定技能協議会」に加入しなければなりません。令和6年2月15日の告示改正により、特定技能協議会への加入時期が見直され、受入れ企業が初めて特定技能外国人を受入れようとする場合には、当該特定技能外国人に係る在留諸申請の前に、特定技能協議会に加入することが義務付けられることになりました。漁業分野特定技能協議会は、漁業分野の特定技能雇用契約の相手方となる公私の機関、漁業分野において派遣形態により派遣された特定技能外国人を受け入れる公私の機関、漁業労働に精通している労働組合や、水産庁、法務省、警察庁、外務省、厚生労働省、国土交通省などによって構成されています。水産庁、大日本水産会、全国漁業協同組合連合会、全日本海員組合、全国海水養魚協会が幹事会構成員として指定されています。

漁業者や漁業会社などの受入れ機関で特定技能外国人を受け入れるためには、協議会の1号構成員になる必要があり、そのためには以下の要件を満たす必要があります。

  1. 特定技能雇用契約を結んでおり、2号構成員に所属するか、指導助言を受けることとしていること
  2. 特定技能の在留資格に係る制度その他外国人の受入れを正しく理解していること3.協議会において協議が整った事項(協議会決定事項、分科会決定事項、各種申し合わせ)に関する措置を講じていること
  3. 協議会およびその構成員が行う報告の徴収、資料の要求、調査その他指導に対し必要な協力を行うこと
  4. 国内人材の確保に資する取組を行っていること
  5. 生産性の向上に資する取組に努めていること
  6. 協議会及び2号構成員が連絡を取ることができること

漁業分野特定技能協議会は、特定技能外国人の適正な受入れ及び保護を行い、各地域の特定技能所属機関が必要な特定技能外国人を受入れるため、構成員が相互に連絡を図ること及び必要な措置を講ずることを目的としています。特定技能所属機関及び派遣先事業者は、協議会およびその構成員が行う報告の徴収、資料の要求、調査その他の指導に対し、必要な協力を行います。漁業分野特定技能協議会には各構成員が遵守しなければならない 取り決めがあります。業務区分「漁業」では、特定技能外国人材の安全性の確保や外国人材の配乗人数(漁船一隻あたり、技能実習生と1号特定技能外国人の合計人数が、それ以外の乗組員の人数の範囲内を目安とする)や引き抜きの自粛、業務区分「養殖業」では、就業規則の整備の促進や特定技能外国人の受入れに係る人権上の問題およびその他の不正行為に対する横断的な予防措置や引き抜きの自粛などがあります。これらを守らなければ協議会から除名される可能性があります。その他の条件には、漁業分野の1号特定技能外国人を受け入れる特定技能所属機関が登録支援機関に支援計画の全部または一部の実施を委託する場合は、漁業分野に固有の基準に適合している登録支援機関であることや、特定技能外国人からの求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付することがあります。

労働者派遣事業者の要件(特定技能基準省令)

漁業の特定技能では派遣雇用が可能です。漁業分野において労働者派遣形態により特定技能外国人を受け入れることができる労働者派遣事業者は、以下の1〜3のいずれかに該当し、かつ、法務大臣が農林水産大臣と協議の上で適当であると認められる者になります。

1.漁業または漁業に関連する業務を行っている者であること

漁業経営体や養殖経営体のように漁業分野に係る業務(漁業または養殖業)を直接行っている者のほか、「漁業に関連する業務を行っている者」として、漁業協同組合、漁業協同組合連合会などがあります。

2.漁業または漁業に関連する業務を行っている者等が資本金の過半数を出資していること

漁業または漁業に関連する業務を行っている者、地方公共団体、漁業生産組合が、資本金の過半数を出資する必要があります。

3.漁業または漁業に関連する業務を行っている者等が業務執行に実質的に関与していると認められる者であること

「業務執行に実質的に関与していると認められる」場合とは、漁業生産組合または漁業または漁業に関連する業務を行っている者や地方公共団体が、役員や職員を出向させ、当該事業者の業務方法書等において漁業分野に関する業務の運営に指導や助言等を行うことなどになります。

派遣元の受け入れ機関と派遣先の漁業分野の事業者のあいだでは「労働者派遣契約」が結ばれ、特定技能外国人は、事業者から指示を受けて漁労作業に従事します。

特定技能「漁業」試験合格から就労までの流れ

ここでは、海外で漁業特定技能の在留資格を取得し日本で就労する外国人を雇用する場合と、技能実習や留学、その他の在留資格を取得し日本国内に既に在留している外国人を雇用する場合の試験合格から就労までの流れをご紹介します。

漁業特定技能で海外から来日する外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 特定技能の外国人労働者と雇用契約を結ぶ
  3. 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
  4. 在留資格認定証明書の交付申請を地方出入国在留管理局に提出
  5. 在留資格認定証明書の受領
  6. 在外公館での査証(ビザ)発給申請
  7. 査証(ビザ)の受領
  8. 入国
  9. 就労開始

漁業特定技能で日本国内に在留している外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 特定技能の外国人労働者と雇用契約
  3. 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
  4. 在留資格の変更許可申請を地方出入国在留管理局に提出
  5. 「特定技能1号」への在留資格変更
  6. 就労開始

どちらも契約締結後に受入れ機関等による事前ガイダンスや健康診断を実施し、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請をする場合は、受入れ機関の概要、特定技能雇用契約書の写し、1号特定技能外国人支援計画、日本語能力を証明する資料、技能を証明する資料などを提出します。受け入れた事業所は、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、外国人への生活支援などを適切に実施し、出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出が義務となっています。また、フィリピン人の特定技能外国人を受け入れる場合は、独自のルールがあります。日本の受け入れ機関は、フィリピン政府からの認定を受けた送出機関を通じて人材の紹介を受け、採用活動を行うことが求められ、送出機関との間で人材の募集や雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結が求められます。また、労働条件を記載した雇用契約書のひな形、募集取決め、求人・求職票等をフィリピンの移住労働者事務所(MWO)に郵送する必要があります。

特定技能「漁業」の就業者条件とは?

特定技能「漁業」の就業者条件とは?

漁業業界は深刻な人手不足ではありますが、どんな外国人でも漁業特定技能の取得者になれるわけではありません。希望者が漁業特定技能を取得して働くためには、一般社団法人大日本水産会が実施する漁業の業務で必要なスキルを問う試験や、日本語能力試験(JLPT)や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)試験などの基本的な日本語に関する試験合格などの一定の技能水準が必要になります。ここでは、漁業特定技能取得の必要な条件や技能試験についてくわしく紹介していきます。

1号漁業技能測定試験と語学試験の合格が条件

外国籍の方の漁業分野の特定技能取得には、漁業の一定の専門性・技能及び日本語能力を証明するために、以下の試験両方に合格する必要があります。

1.1号漁業技能測定試験(漁業または養殖業)

2.日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

ここでは、それぞれの試験をくわしく紹介していきます。

1.1号漁業技能測定試験(漁業または養殖業)

1号漁業技能測定試験は漁業と養殖業に分かれており、主催者は一般社団法人大日本水産会です。一般社団法人大日本水産会は、水産業の振興をはかり、経済的、文化的発展を期することを目的として、明治15年(1882年)に設立された、我が国唯一の水産業の総合団体です。試験は、漁業分野の漁業もしくは養殖業における一定程度の業務について、監督者の指示を理解し的確に遂行または自らの判断により遂行できること、作業の遂行に必要な正しい判断力や作業に関する知識があることを確認します。漁業では、漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保などを行うことができるレベルであることを認定し、養殖業では、養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収獲(穫)・処理、安全衛生の確保等を行うことができるレベルを認定します。

・試験内容や学習教材

試験は、漁業、養殖業両方とも筆記試験と実技試験を行います。試験言語は日本語で、コンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式またはペーパーテスト方式で行われます。

出題範囲は以下の通りです。

職種 試験内容 試験範囲
漁業 筆記試験(真偽式) 30問、試験時間50分 漁業全般及び安全衛生に係る知識及び業務上必要となる日本語能力を測定
実技試験(多肢選択式) 25問、試験時間20分 図やイラスト等から漁具・漁労設備の適切な取扱いや漁獲物の選別に係る技能を判断する試験により業務上必要となる実務能力を測定
養殖業 筆記試験(真偽式) 40問、試験時間50分 養殖業全般及び安全衛生に係る知識及び業務上必要となる日本語能力を測定
実技試験(多肢選択式) 10問、試験時間20分 図やイラスト等から養殖水産動植物の育成管理や養殖生産物の適切な取扱いに係る技能を判断する試験により業務上必要となる実務能力を測定

合格基準は、漁業は筆記試験と実技試験の合計得点が7割5分以上を超えると合格、養殖業は筆記試験及び実技試験の合計得点が7割4分以上を超えると合格となります。一般社団法人大日本水産会のWebサイトでは、漁業技能測定試験の漁業と養殖業それぞれのサンプル問題や学習用テキストや補助教材がPDFでダウンロードできます。学習テキストは、日本語の他にも、インドネシア語、中国語、英語、ベトナム語で用意されています。

  • 試験開催場所、開催国
    漁業技能測定試験は日本国内と日本国外の試験会場でPROMETRIC(プロメトリック)が提供しているCBT(ComputerBasedTesting)方式で行われています。CBT(ComputerBasedTesting)はコンピューター上で試験の出題および解答が行われます。操作説明動画およびCBT体験版で基本的な操作方法を事前に確認することができます。
    開催場所は、国内では全国、海外での開催国はインドネシアです。2号漁業技能測定試験の詳細や開催日も含め、詳しい試験日程や開催場所は、PROMETRIC(プロメトリック)の専門サイトや一般社団法人大日本水産会のWebサイトで確認ができます。
  • 受験資格
    受験資格は、試験日において17歳以上で、国内試験の場合は在留資格を有している方(「短期滞在」の在留資格も含む)となります。日本人は受験対象外です。
    これまでは、日本国内での受験対象者は、中長期在留者か過去に中長期在留者として在留していた経験がある方に限られていましたが、2020年(令和2年)4月1日以降の国内試験から受験資格が拡大されました。在留資格をもって在留する方については一律に受験を認めることとなったため、受験を目的として「短期滞在」の在留資格により入国し、受験することが可能になりました。国内に留学している留学生も受験が可能です。特定技能2号試験の場合は、漁業では、漁船法(昭和25年法律第178号)上の登録を受けた漁船において、操業の指揮監督の補佐や作業員を指導しながら作業、作業工程を管理するといった実務経験が必要で、養殖業では、漁業法(昭和24年法律第267号)および内水面漁業の振興に関する法律(平成26年法律第103号)に基づき行われる養殖業の現場において、養殖の管理者の補佐や作業員を指導しながら作業に従事し、作業工程を管理するといった実務経験が必要となります。

    その他の留意事項として、日本国籍を有する方は受験することはできません。また、試験に合格すると必ず「特定技能」の在留資格が付与されることが保証されるわけではなく、試験合格者に係る在留資格認定証明書交付申請や在留資格変更許可申請がされたとしても、査証申請は別途外務省による審査が行われ、必ずしも在留資格認定証明書の交付や在留資格変更の許可を受けられるものではありません。

  • 申込み方法と留意事項
    1号漁業技能測定試験の申込方法は、PROMETRIC(プロメトリック)の予約サイトでプロメトリックIDを作成し、希望の試験日と地域を選択し支払いをすると予約完了です。日本国内で受験する場合は鮮明な顔写真のアップロードも必要となります。アップロードされた顔写真は確認書に掲載され、試験当日の本人確認に使用されます。事前に顔写真の規定をご確認の上、規定を満たした顔写真をご用意ください。また、結果通知書にもアップロードされた顔写真が掲載されます。支払いはクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、eウォレット(PayPay)、バウチャーなど、国によって利用できる支払い方法は変わります。空席がないと予約の変更はできず、試験当日の出席・欠席にかかわらず受験料金やバウチャーの返金、およびバウチャーの再発行はされません。遅刻または本人確認書類(在留カード、パスポートなど有効期限内のもの)不備で受験できなかった場合でも受験料金は返金されませんのでご注意ください。
    予約日程は、試験日の3営業日(営業日は土日祝・年末年始休業を除いた日)前の23:59(日本時間)まで、予約・変更が可能です。試験日が土・日、日本の祝日の場合は4営業日前の23:59(日本時間)まで可能です。予約時にご登録いただいた氏名、生年月日、国籍、性別は、変更ができません。プロメトリックID、パスワード、登録メールアドレスは自身で管理し、第三者に知られることのないように十分ご注意ください。2号漁業技能測定試験の申し込み手続きをする場合は、漁業技術や管理者としての経験を証明するために、特定技能所属機関実務経験証明書を作成してもらう必要があります。
  • 当日の注意点
    入場は試験開始の30分前からです。試験日当日に有効な本人確認書類の提示が必要です。提示ができない場合は受験ができません。フィリピンのアテネオ大学では汚れた服、ルーム用の短パンやシャツ、ジムやサイクリング等スポーツ用の短パンやシャツ、ノースリーブ(男性)、襟ぐりの深い服、背中が大きくあいた服、肩紐のない服、へその見える服、極端に短いスカートやワンピース、極端に股上の浅いジーンズ、スリッパでの来場は禁止されています。合否発表は、試験終了時の受験者のパソコン画面にスコアレポートとして試験結果が表示されます。結果通知書は受験後5営業日以内に、マイページにログインの上で確認してください。

2.日本語能力試験(JLPT)・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

1号特定技能外国人に求められる日本語水準は「分野所管行政機関が定める試験等により確認する」とされており、漁業分野特定技能では日本語能力は日常会話レベルが求められるため、日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必要です。語学力は「日本語教育の参照枠」のA2相当(基礎段階の言語使用者)以上の水準が求められます。日本語能力試験は、文字や語彙、文法の知識や、実際のコミュニケーションがとれるかを総合的に判断する学科試験で、コンピュータを使って四肢択一の出題形式で解答するCBT(ComputerBasedTesting/コンピューター・ベースド・テスティング)⽅式で実施されます。レベルは5段階あり、漁業分野の特定技能ではN4(基本的な日本語の理解)以上が必要となります。母語が日本語でない方であれば、年齢国籍問わず受験が可能です。合格発表は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営する日本語能力試験公式サイト上で公開されています。

受験者数も多いため、学習テキストはさまざまな出版社から発行されており、公式問題集も、日本語能力試験のウェブサイトから購入可能です。国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を判定する学科試験で、コンピュータを使って解答するCBT(ComputerBasedTesting)⽅式で実施されます。受験資格は、日本国籍を持たず、日本語を母語としない者であること、試験日にインドネシア国籍の方は満18歳以上、ミャンマー国籍の場合、満17歳以上である必要があります。また、日本国内で受験する場合は在留資格が必要となります。テスト結果は、当日終了後、パソコン画面に総合得点と判定結果が表示されます。学習テキストは、日本語基礎テスト(JFT-Basic)の公式ウェブサイトで役立つ教材が紹介されています。

特定技能漁業以外の在留資格

特定技能漁業以外の在留資格

漁業分野の在留資格(就労ビザ)には、特定技能制度以外にも、外国人技能実習制度が存在します。

※2024年6月、入管法改正案が成立し、技能実習制度を廃止して新たに「育成就労制度」を設けるとした方針が決定。施行は3年後の予定で、漁業も対象となる見込みです。

漁業技能実習制度

在留資格「技能実習」とは、外国人技能実習制度を利用して「技能実習生」となり、最長5年間日本に滞在するための在留資格です。監理団体を介して受け入れを行う団体監理型と企業自身で受け入れを行う企業単独型の受け入れ方法により2つに分類され、その中で1号、2号、3号と3つの区分があります。技能実習の目的は、日本の技術や知識などを本国に持ち帰って広める国際貢献のためのものであるため、母国へ帰国するのが基本となりますが、漁業は技能実習2号移行対象職種のため、漁業分野の技能実習制度の2号を良好に修了した外国人は、日本から出国せず漁業特定技能に移行することや、帰国している人材を呼び寄せることも可能です。漁船漁業に関連する第2号技能実習(漁船漁業職種9作業:かつお一本釣り漁業、延縄漁業、いか釣り漁業、まき網漁業、ひき網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、かに・えびかご漁業、棒受網漁業、ほたてがい・まがき養殖作業)を良好に修了した外国人は、漁業の業務で必要とされる一定の専門性・技能を有し、即戦力となるに足りる相当程度の知識または経験を有するものと評価され、特定技能の技能測定試験と日本語能力試験が免除されます。養殖業職種で技能実習生に任せられるのは「ほたてがい・まがき養殖」で、技能実習移行対象作業として認定されています。技能実習は在留期間が1号が1年以内、2号が2年以内、3号が2年以内(合計最長5年)と期間に限りがありますが、特定技能では、漁業の繁忙期が落ち着く時期に帰国してもらい、繁忙期に来てもらうなど半年ごとの業務であれば10年間(日本での労働期間が通算5年)に渡り使役が可能です。今後技能実習が廃止され、特定技能への移行を目的とした育成就労制度が施行されるため、特定技能での受け入れが増加していくでしょう。

特定技能「漁業」の外国人材受け入れなら当社にお任せ

外国人材株式会社は、外国人材に特化した人材紹介会社で、特定技能、技能実習生ともに採用費用、ランニングコストの総額(3~5年)の総額で最安値を提供できるのが特徴です。受け入れ可能な職種は、漁業の分野をはじめさまざまな業種に対応しています。人数が多くなるほど1名当たりの管理費用(実習生:監理費、特定技能:支援費)の単価が安くなる管理費スライド制を採用。その他無駄なコストを極力削減していますので、他社と比べる時はぜひ初期の採用費用だけでなくトータルの費用で比較してみてください。

また、安いだけでなくサポート体制も充実。給与水準、昇給、配属の相談、業務の切り分け、効率の良い指揮系統の作り方、失敗しないマネージメント方法の教授など、他社では行えない総合的なサポート体制を確立しております。さらに、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ミャンマーなどアジア15カ国以上の国に提携機関を持っており、その90%に求人を出すことが可能です。業種ごとに、適切な人材を熟知しているため、特定技能1号人材、技能実習生のどちらがおすすめか、また、不適切な人材の採用によるリスクを避けマッチングすることができます。まずはお気軽にご相談ください。