人手不足とされる宿泊業分野で外国人が就労可能な在留資格特定技能制度。この記事では、外国人材に特化した人材紹介会社である外国人材株式会社が、宿泊業分野の特定技能制度について、受入れ要件や就業者条件、宿泊業特定技能試験の詳細までくわしく解説します。

宿泊業分野の特定技能とは?

2018年12月に「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、2019年4月には入管法改正が行われ特定技能が創設されました。特定技能は、外国人を雇用できる在留資格制度の1つで、深刻化する人材不足の中、国内人材の確保のための取組を行っても人材を確保することが難しい16分野(介護、ビルクリーニング業、工業製品製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空運輸業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業や、鉄道、林業、木材産業)の特定産業分野で受け入れています。

平成28年3月30日、政府は「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」において、「明日の日本を支える観光ビジョン」という新たな観光ビジョンを策定し、訪日外国人旅行者数(2030年に6,000万人)等の宿泊需要に対応するという政府目標を掲げました。その後新型コロナウイルスの影響で一時市場規模は縮小しましたが、現在では移動制限や水際対策が終了し、訪日観光客の旅行も活発になっています。今後この目標を達成するためには、これを支える宿泊分野の人材確保が必要不可欠です。また、観光事業を地方創生につなげていくためには、3大都市圏以外の地方部への外国人旅行者の訪問を増大させる必要があり、今後全国的な宿泊需要の増大に対応していくためには、宿泊分野において、令和10年度には60万9,000人の就業者が必要であると見込まれています。

現状宿泊業分野でおこなわれている生産性の向上や国内人材の確保の取組について、まず生産性の向上では、マルチタスク化の推進、スタッフの技能向上、スマートチェックイン、清掃ロボット、配膳ロボット等の業務効率化に資する設備導入を図っています。また、国内人材の確保では、賃上げ、就業者の就労環境整備に関する周知セミナーを開催し、優良事例を全国へ展開することにより、長時間労働の是正やフレキシブルな労働時間の導入の促進を図っています。令和10年度には7万4,000人程度の人手不足が見込まれる中、マルチタスク化の推進等による4%程度の生産性向上(5年間で2万4,000人程度)や、賃上げや労働時間などの労働環境の改善等による追加的な国内人材の確保(5年間で2万7,000人程度)を行ってもなお最大2万3,000人が不足すると予想されています。深刻化する人手不足状況に対応かつ宿泊分野の基盤を維持し、今後も発展させていくためには、即戦力となる一定の専門性や技能を有し、その能力を用いたフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等のさまざまな業務に従事する外国人を受け入れることが必要不可欠であると言えるでしょう。特定技能には、最初に取得しホテルや旅館等で通算5年間働くことができる1号と、1号取得後に実務経験や試験合格等で移行が可能な2号があります。 熟練した技術を有する2号は在留期間の上限なく働くことができ、条件を満たせば永住や家族の帯同が可能です。特定技能1号は「1年、6か月、4か月」ごとのいずれか、特定技能2号の場合は「3年、1年または6か月」ごとのいずれかに在留資格を更新する必要があります。2号に移行できるのは2022年までは建設と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、2023年に閣議決定され、介護分野を除き11分野になりました。出入国在留管理庁の発表によると、令和6年6月時点で日本社会で活躍する特定技能在留外国人の人数は全分野の特定技能1号の総数が251,594人なのに対して、宿泊業分野の特定技能は429人とまだまだ少ない状況です。

宿泊業分野の特定技能の概要まとめ

対応業務
旅館やホテルにおけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供業務
就業者条件

①+② (②はどちらか1つ合格)

  1. 宿泊分野特定技能1号評価試験
  2. 日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月と12月年2回開催]
  3. 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)[常時開催]

※JFT日本語 国内試験日程はこちら
※JFT日本語 国外試験日程はこちら

※技能実習生修了者は上記①②ともに免除

雇用企業条件
以下の登録が必要です。
  1. 旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第2項に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けていること
  2. 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項第4号に規定する「施設」に該当しないこと
  3. 特定技能外国人に風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと
  4. 「宿泊分野特定技能協議会」の構成員として必要な協力をすること
雇用人数条件
無制限
実施予定国
国内外
試験言語
日本語
実施方法
筆記及び実技
試験内容
  • 学科試験
    • フロント業務
    • 企画・広報業務
    • 接客業務
    • レストランサービス業務
    • これらの業務の基礎的な知識、現場での適切な対応、安全衛生、心構え、身だしなみ、言葉遣い、立居振る舞い、接遇(マナー)の一般的な知識
  • 実技試験
    • フロント業務
    • 接客業務
    • レストランサービス業務
    • 宿泊施設利用者の求めに応じた適切な対応ができること

宿泊業分野の特定技能外国人の受入れ要件

宿泊業分野の特定技能外国人の受入れ要件

宿泊業分野の特定技能を取得している外国人労働者は、実際にどのように働くことが可能なのでしょうか。ここでは、特定技能制度を利用して宿泊業業界で働く場合の業務内容や、事業所の受け入れる人数の上限、働くことが可能な期間、雇用契約条件などを解説していきます。

対応可能な業務

宿泊業分野の特定技能の業務は、主に旅館やホテルにおけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供業務です。

主な業務内容
  1. フロント業務(チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配など)
  2. 企画・広報業務(キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成、HP、SNS等による情報発信など)
  3. 接客業務(旅館やホテル内での案内、宿泊客からの問い合わせ対応など)
  4. レストランサービス業務(注文への応対やサービス(配膳・片付け)、料理の下ごしらえ・盛りつけ等の業務など)
想定される関連業務
  1. 旅館やホテル内における販売
  2. 備品の点検・交換等

関連業務だけに従事することは認められません。また、特定技能2号の場合は、これらの業務に加え、複数の従業員に指導をおこないます。

受入れ人数の上限と期間

特定技能制度は基本的に介護と建設分野以外受け入れ人数の制限はありません。宿泊業分野の特定技能は1号と2号があり、特定技能1号からスタートし、要件を満たすことで特定技能2号に進むことができます。特定技能1号の在留期間は通算で最長5年、特定技能2号は期間の制限がありません。

外国人は国内外から受け入れが可能ですが、雇用契約する前に、宿泊業分野特定技能1号評価試験や日本語に関する試験に合格する必要があります。宿泊業分野特定技能1号評価試験は、試験日に17歳以上(インドネシア国籍の人は18歳以上)であることや、国内の場合は在留資格があること(短期滞在も可)が受験する条件になります。

雇用形態と労働条件

宿泊業分野の特定技能制度の雇用形態は、原則として正社員・フルタイムでの直接雇用のみです。派遣雇用が認められているのは農業分野・漁業分野だけとなっています。週5日、30時間以上の勤務が必要となり、アルバイトやパート、派遣といった短時間での雇用形態は認められていません。受け入れ企業は、外国人と結ぶ雇用契約が適切であり労働、社会保険、租税に関する法令を順守していることや、外国人を支援する体制があることなどの受入れ基準を満たす必要があります。雇用契約が満たすべき基準の1つには、外国人であることを理由として報酬や労働時間、労働条件、職場環境などに差別的な取り扱いがなされていないことが必要となります。そのため、労働する特定技能外国人に支払われる報酬額は、日本人が従事する場合の額と同等以上であることが求められ、時間外手当、深夜手当、休日手当などの各種手当についても、日本人の従業員に対する待遇と同様にする必要があります。特定技能外国人が母国への一時帰国を望んだら、やむを得ない場合を除き、有給休暇を許可する必要があります。また、生活オリエンテーション、出入国する際の送迎、住居の確保、生活のための日本語教育、相談・苦情、定期的な面談、転職支援(自己都合退職以外)、行政機関への通報などの海外からの入国前から出国までの就労と生活を支援する体制も、事前に支援計画の策定が必要です。

受け入れ企業の要件

宿泊業分野で特定技能外国人を受け入れる場合、業務内容が厚生労働省が公表している職務記述書に適合しているかという他にも、いくつかの条件があります。ここでは、その内容を解説します。

旅館・ホテル営業の形態で一定の条件を満たす

宿泊分野においては、特定技能外国人が従事する業務内容を踏まえ、旅館・ホテル営業の形態とするとともに、以下の条件を満たす必要があります。

  1. 旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第2項に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けた者であること。
  2. 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号。以下「風俗営業法」という。)第2条第6項第4号に規定する「施設」に該当しないこと。
  3. 特定技能外国人に対して風俗営業法第2条第3項に規定する「接待」を行わせないこと。

「宿泊分野特定技能協議会」の構成員になり協力を行う

特定技能所属機関は、宿泊業分野の特定技能外国人を受入れる場合には、国土交通省が設置する宿泊業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会である「宿泊分野特定技能協議会」に加入しなければなりません。令和6年2月15日の告示改正により、特定技能協議会への加入時期が見直され、受入れ企業が初めて特定技能外国人を受入れようとする場合には、当該特定技能外国人に係る在留諸申請の前に、特定技能協議会に加入することが義務付けられることになりました。

宿泊業分野特定技能協議会は、有識者、特定技能所属機関、登録支援機関、宿泊事業者団体、警察庁、法務省、外務省、厚生労働省、国土交通省などによって構成されています。特定技能外国人の適正な受入れ及び保護を行い、各地域の特定技能所属機関が必要な特定技能外国人を受入れるため、構成員が相互に連絡を図ること及び必要な措置を講ずることを目的としています。特定技能所属機関は、協議会に対してや国土交通省またはその委託を受けた者が行う調査や指導に対し、必要な協力を行います。協議会入会にあたり、入会金や年会費等は不要です。

特定技能「宿泊業」試験合格から就労までの流れ

ここでは、海外で宿泊業特定技能の在留資格を取得し日本で就労する外国人を雇用する場合と、技能実習や留学、その他の在留資格を取得し日本国内に既に在留している外国人を雇用する場合の試験合格から就労までの流れをご紹介します。

宿泊業特定技能で海外から来日する外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 特定技能の外国人労働者と雇用契約を結ぶ
  3. 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
  4. 在留資格認定証明書の交付申請を地方出入国在留管理局に提出
  5. 在留資格認定証明書の受領
  6. 在外公館での査証(ビザ)発給申請
  7. 査証(ビザ)の受領
  8. 入国
  9. 就労開始

宿泊業特定技能で日本国内に在留している外国人を採用する場合

  1. 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
  2. 特定技能の外国人労働者と雇用契約
  3. 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
  4. 在留資格の変更許可申請を地方出入国在留管理局に提出
  5. 「特定技能1号」への在留資格変更
  6. 就労開始

どちらも契約締結後に受入れ機関等による事前ガイダンスや健康診断を実施し、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請をする場合は、受入れ機関の概要、特定技能雇用契約書の写し、1号特定技能外国人支援計画、日本語能力を証明する資料、技能を証明する資料などを提出します。受け入れた事業所は、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、外国人への生活支援などを適切に実施し、出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出が義務となっています。

また、フィリピン人の特定技能外国人を受け入れる場合は、独自のルールがあります。日本の受け入れ機関は、フィリピン政府からの認定を受けた送出機関を通じて人材の紹介を受け、採用活動を行うことが求められ、送出機関との間で人材の募集や雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結が求められます。また、労働条件を記載した雇用契約書のひな形、募集取決め、求人・求職票等をフィリピンの移住労働者事務所(MWO)に郵送する必要があります。

特定技能「宿泊業」の就業者条件とは?

宿泊業業界は深刻な人手不足ではありますが、どんな外国人でも宿泊業特定技能の取得者になれるわけではありません。希望者が宿泊業特定技能を取得して働くためには、一般社団法人全国宿泊業会議所(NCA)が実施する宿泊業の業務で必要なスキルを問う試験や、日本語能力試験(JLPT)や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)試験などの基本的な日本語に関する試験合格などの一定の技能水準が必要になります。ここでは、宿泊業特定技能取得の必要な条件や他の在留資格を利用した場合の免除の条件などを、くわしく解説していきます。

宿泊分野特定技能1号評価試験と語学試験の合格が条件

外国籍の方の宿泊業分野の特定技能取得には、宿泊業の一定の専門性・技能及び日本語能力を証明するために、以下の試験両方に合格する必要があります。

  1. 宿泊分野特定技能1号評価試験
  2. 日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

ここでは、それぞれの試験をくわしく紹介していきます。

宿泊分野特定技能1号評価試験

宿泊分野特定技能1号評価試験の主催者は一般社団法人宿泊業技能試験センター(CAIPT)で、試験はフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等のさまざまな業務について、技能・知識を確認し認定する内容となっています。試験は日本国内だけでなく世界各国で行われています。

試験内容や学習教材

試験は、フロント業務、企画・広報業務、接客業務、レストランサービス業務、安全衛生その他基礎知識の5つのカテゴリーが出題範囲で、学科試験と実技試験がコンピュータ・ベースド・テスティング(CBT)方式またはペーパーテスト方式で行われます。試験時間は60分間。試験問題は学科試験30問、実技試験6問となっています。合格基準は、学科試験及び実技試験それぞれの正答率が65%以上で合格となります。日本国内で2024年に行われた宿泊分野特定技能1号評価試験では、受験者数3,164人で合格者数2,199人、合格率は69.5%でした。全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)のWebサイトでは、宿泊分野特定技能試験の学習用テキストや用語集のPDFがダウンロードできます。学習用テキストは、日本語版と英語版が用意されています。

試験開催場所、開催国

宿泊分野特定技能1号評価試験は、日本国内と日本国外の試験会場でPROMETRIC(プロメトリック)が提供しているCBT(ComputerBasedTesting)方式で行われています。CBT(ComputerBasedTesting)はコンピューター上で試験の出題および解答が行われます。操作説明動画およびCBT体験版で基本的な操作方法を事前に確認することができます。開催場所は、国内では全国、海外での開催国はインド、インドネシア(マナドを除く)、ネパール、フィリピン、スリランカ、ミャンマー、ベトナムです。2号宿泊業技能測定試験の詳細や開催日も含め、詳しい試験日程や開催場所は、PROMETRIC(プロメトリック)の専門サイトや一般社団法人宿泊業技能試験センター(CAIPT)のWebサイトで確認ができます。

受験資格

受験資格は、試験日において17歳以上で、国内試験の場合は在留資格を有している方(「短期滞在」の在留資格も含む)となります。これまでは、日本国内での受験対象者は、中長期在留者か過去に中長期在留者として在留していた経験がある方に限られていましたが、2020年(令和2年)4月1日以降の国内試験から受験資格が拡大されました。在留資格をもって在留する方については一律に受験を認めることとなったため、受験を目的として「短期滞在」の在留資格により入国し、受験することが可能になりました。国内に留学している留学生も受験が可能です。特定技能2号試験の場合は、宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の業務に2年以上従事した実務経験が必要となります。2023年(令和5年)6月9日の運用要領改正の時点で宿泊分野の1号特定技能外国人として本邦に在留していた場合は、同日以前の期間に関しては、宿泊施設において複数の従業員を指導しながら業務に従事する者として就労していたかに関わらず、当該者に該当していたものとして取り扱います。その他の留意事項として、日本国籍を有する方は受験することはできません。

申込み方法と留意事項

宿泊分野特定技能1号評価試験の予約受付期間や試験実施期間は、PROMETRIC(プロメトリック)の予約サイトから確認が可能です。申込方法は、PROMETRIC(プロメトリック)の予約サイトでプロメトリックIDを作成し、希望の試験日と地域を選択し支払いをすると予約完了です。日本国内で受験する場合は鮮明な顔写真のアップロードも必要となります。アップロードされた顔写真は確認書に掲載され、試験当日の本人確認に使用されます。また、結果通知書にもアップロードされた顔写真が掲載されます。支払いはクレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、eウォレット(PayPay)、バウチャーなど、国によって利用できる支払い方法は変わります。空席がないと予約の変更はできず、試験当日の出席・欠席にかかわらず受験料金やバウチャーの返金、およびバウチャーの再発行はされません。遅刻または本人確認書類不備で受験できなかった場合でも受験料金は返金されませんのでご注意ください。予約日程は、試験日の3営業日(営業日は土日祝・年末年始休業を除いた日)前の23:59(日本時間)まで、予約・変更が可能です。試験日が土・日、日本の祝日の場合は4営業日前の23:59(日本時間)まで可能です。予約時にご登録いただいた氏名、生年月日、国籍、性別は、変更ができません。プロメトリックID、パスワード、登録メールアドレスは自身で管理し、第三者に知られることのないように十分ご注意ください。宿泊分野特定技能2号評価試験の申し込み手続きをする場合は、プロメトリックへ試験を申込みする前に、宿泊業技能試験センターのホームページの申請フォームにて指定の様式の実務経験証明書を提出する必要があります。

当日の注意点

入場は試験開始の30分前からです。試験日当日に有効な本人確認書類の提示が必要です。提示ができない場合は受験ができません。フィリピンのアテネオ大学では汚れた服、ルーム用の短パンやシャツ、ジムやサイクリング等スポーツ用の短パンやシャツ、ノースリーブ(男性)、襟ぐりの深い服、背中が大きくあいた服、肩紐のない服、へその見える服、極端に短いスカートやワンピース、極端に股上の浅いジーンズ、スリッパでの来場は禁止されています。 合否発表は、試験実施後30日を目途に、一般社団法人宿泊業技能試験センター(CAIPT)のWebサイトに試験合格者のID番号を公表します。再受験規定として、試験日の翌日より起算して45日間は同じ試験を受けることができません。受験日の翌日から起算して45日経過後に予約が可能となります。

その他の注意事項

試験に合格したら必ず「特定技能」の在留資格が付与されることが保証されるものではなく、試験合格者に係る在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請がなされたとしても、必ずしも在留資格認定証明書の交付や在留資格変更の許可を受けられるものではありません。また、在留資格認定証明書の交付を受けたとしても、査証申請については、別途外務省による審査が行われ、必ずしも査証の発給を受けられるものではありません。

日本語能力試験(JLPT)・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)

1号特定技能外国人に求められる日本語水準は「分野所管行政機関が定める試験等により確認する」とされており、宿泊業分野特定技能では日本語能力は日常会話レベルが求められるため、日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必要です。語学力は「日本語教育の参照枠」のA2相当(基礎段階の言語使用者)以上の水準が求められます。 日本語能力試験は、文字や語彙、文法の知識や、実際のコミュニケーションがとれるかを総合的に判断する学科試験で、コンピュータを使って四肢択一の出題形式で解答するCBT(ComputerBasedTesting/コンピューター・ベースド・テスティング)⽅式で実施されます。レベルは5段階あり、宿泊業分野の特定技能ではN4(基本的な日本語の理解)以上が必要となります。母語が日本語でない方であれば、年齢国籍問わず受験が可能です。合格発表は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営する日本語能力試験公式サイト上で公開されています。 受験者数も多いため、学習テキストはさまざまな出版社から発行されており、公式問題集も、日本語能力試験のウェブサイトから購入可能です。国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を判定する学科試験で、コンピュータを使って解答するCBT(ComputerBasedTesting)⽅式で実施されます。受験資格は、日本国籍を持たず、日本語を母語としない者であること、試験日にインドネシア国籍の方は満18歳以上、ミャンマー国籍の場合、満17歳以上である必要があります。また、日本国内で受験する場合は在留資格が必要となります。テスト結果は、当日終了後、パソコン画面に総合得点と判定結果が表示されます。学習テキストは、日本語基礎テスト(JFT-Basic)の公式ウェブサイトで役立つ教材が紹介されています。

特定技能宿泊業以外の在留資格

特定技能宿泊業以外の在留資格

宿泊業分野の在留資格には、特定技能制度以外にも、外国人技能実習制度や「技術・人文知識・国際業務」が存在します。 ※2024年6月、入管法改正案が成立し、技能実習制度を廃止して新たに「育成就労制度」を設けるとした方針が決定。施行は3年後の予定で、宿泊業も対象となる見込みです。

宿泊業技能実習制度

在留資格「技能実習」とは、外国人技能実習制度を利用して「技能実習生」となり、最長5年間日本に滞在するための在留資格です。監理団体を介して受け入れを行う団体監理型と企業自身で受け入れを行う企業単独型の受け入れ方法により2つに分類され、その中で1号、2号、3号と3つの区分があります。技能実習の目的は、日本の技術や知識などを本国に持ち帰って広める国際貢献のためのものであるため、母国へ帰国するのが基本となりますが、宿泊業は技能実習2号移行対象職種のため、宿泊業分野の技能実習制度の2号を良好に修了した外国人は、日本から出国せず宿泊業特定技能に移行することや、帰国している人材を呼び寄せることも可能です。技能実習は無試験で日本に来られるため、特定技能よりも人材が豊富に集まることもあり宿泊の分野では技能実習での受け入れが一般的でした。今後技能実習が廃止され、特定技能への移行を目的とした育成就労制度が施行されるため、特定技能での受け入れが増加していくでしょう。

在留資格「技術・人文知識・国際業務」

日本もしくは外国の大学や専門学校を卒業し、宿泊業と関連する学歴もしくは宿泊業で正社員として10年以上の勤務経験を有する外国人は、就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」の申請ができます。国際業務の頭文字を取って通称「技人国」と呼ばれます。「技術・人文知識」の業務は、「日本の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野もしくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術もしくは知識を要する業務」と定義されており、ホテルの場合、インバウンドマーケティングや外国人スタッフの人事労務管理などが対象となります。「国際業務」の業務は、「外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務」として、通訳や翻訳などの業務が対象となります。出入国在留管理庁が公開している「ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格の明確化について」の資料によると、以下のような許可事例が紹介されています。

  1. 本国において大学の観光学科を卒業した者が、外国人観光客が多く利用する本邦のホテルとの契約に基づき、月額約22万円の報酬を受けて、外国語を用いたフロント業務、外国人観光客担当としてのホテル内の施設案内業務等に従事するもの
  2. 本国において大学を卒業した者が、本国からの観光客が多く利用する本邦の旅館との契約に基づき、月額約20万円の報酬を受けて、集客拡大のための本国旅行会社との交渉に当たっての通訳・翻訳業務、従業員に対する外国語指導の業務等に従事するもの
  3. 本邦において経済学を専攻して大学を卒業した者が、本邦の空港に隣接するホテルとの契約に基づき、月額約25万円の報酬を受けて、集客拡大のためのマーケティングリサーチ、外国人観光客向けの宣伝媒体(ホームページなど)作成などの広報業務等に従事するもの

特定技能との違いは、大学などで学んだ知識や実務経験が必要なところや、学術的素養を背景とした業務を対象にしている点になります。そのため、ホテルの業務で主に客室の清掃、ベッドメイキングなどの単純労働を行う場合は、就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」ではなく、特定技能での受け入れとなります。

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