工業製品製造業分野(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)の特定技能とは?
人手不足とされる工業製品製造業分野で外国人が就労可能な在留資格特定技能制度。この記事では、外国人材に特化した人材紹介会社である外国人材株式会社が、工業製品製造業分野の特定技能制度について、受入れ要件や就業者条件、製造分野特定技能試験の詳細までくわしく解説します。
目次
工業製品製造業分野の特定技能とは?
2018年12月に「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が成立し、2019年4月には出入国管理法(入管法)改正が行われ特定技能が創設されました。特定技能は、外国人を雇用できる在留資格制度の1つで、深刻化する人材不足の中、国内人材の確保のための取組を行っても人材を確保することが難しい16分野(介護、ビルクリーニング業、工業製品製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空運輸業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送業や、鉄道、林業、木材産業)の特定産業分野で受け入れています。
特定技能「工業製品製造業」は経済産業省が管轄しており、以前は「工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)」という名前でしたが、2024年(令和6年)3月29日の閣議決定で「工業製品製造業」と変更され、新たな業種・業務区分も追加されました。工業製品製造業分野の特定技能在留外国人労働者数は51,473人(令和7年6月末時点)となっています。
製造業分野の職種における有効求人倍率(令和4年度)は、鋳物製造工6.83倍、金属熱処理工6.03倍、鍛造工5.89倍、計量計測機器組立工7.33倍、プラスチック製品製造工5.21倍、鉄工、製缶工5.72倍と、深刻な人手不足の状況にあります。飲食料品製造業を除く製造業は、デジタル化の進展などにより、今後も半導体、産業機械、素材産業等を中心に成長が見込まれています。しかし、2022年(令和4年度)の人手不足数は15万1,300人で、今後も需要拡大とこれに伴う労働需要の拡大が続くと、2028年(令和10年度)には426万4,300人の就業者が必要となり、42万4,300人程度の人手不足が生じると推測されています。
現在工業製品製造業は、生産性向上や国内人材確保のための取組がおこなわれています。生産性向上のための取組として、生産プロセスの見える化等の工場のデジタル化やIoT・AI等の活用による生産プロセスの刷新等といった生産現場の改善徹底を行ったり、研修・セミナー等の人材育成等による生産性向上のための取組を実施しています。また、国内人材確保のための取組として、女性や高齢者も働きやすい職場環境及び人事制度の整備や、適正取引の推進等による適正な賃金水準の確保等に取り組んでいます。こうした取組の結果、生産性の向上や女性や65歳以上の就業者の比率が増加するなど結果はでていますが、それでもなお人材は不足している状況です。
今後も製造業分野における労働需要は増加するものと見込まれるものの、人手不足が早急に改善できる見通しは立っていません。製造業分野は日本の国民生活に不可欠な分野であり、同分野の基盤を維持し、持続的な発展を図るためには、製造業分野について一定の専門性・技能を有し、現場の状況に応じて作業手順を自ら考え作業を実施することができる即戦力の外国人を受け入れることが必要不可欠であるといえるでしょう。
在留資格特定技能には、最初に取得し、工場等で通算5年間働くことができる1号と、1号取得後に実務経験や試験合格等で移行が可能な2号があります。熟練した技術を有する2号は在留期間の上限なく働くことができ、条件を満たせば永住や家族の帯同が可能です。特定技能1号は「1年、6か月、4か月」ごとのいずれか、特定技能2号の場合は「3年、1年または6か月」ごとのいずれかに在留資格を更新する必要があります。2号に移行できるのは2022年までは建設と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、2023年に閣議決定され、介護分野を除き11分野になりました。出入国在留管理庁の発表によると、令和7年6月時点で日本社会で活躍する特定技能在留外国人の人数は全分野の特定技能1号の総数が333,123人なのに対して、工業製品製造業分野の特定技能は51,063人と特定の技能の中で比較的多くなっています。
※参考:厚生労働省「工業製品製造業分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」、出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和7年6月)」
工業製品製造業分野(工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業))の特定技能の概要まとめ
- 対応業務
- 機械金属加工、電気電子機器組立、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造、製品製造、RPF製造、陶磁器製品製造、印刷・製本、紡織製品製造、縫製の10区分
- 就業者条件
-
①+②(②はどちらか1つ合格)
- ① 製造分野特定技能1号評価試験 合格
- ② 日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月・12月の年2回開催]
- ② 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)[常時開催]
※技能実習2号修了者は上記①②ともに免除
- 雇用企業条件
- 一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会など、所定の条件を満たす必要があります。
- 雇用人数条件
- 無制限
- 実施予定国
- 国内外
- 試験言語
- 日本語
- 実施方法
- 学科試験および実技試験
- 試験内容
- 80分/学科試験30問・実技試験10問の合計40問が出題
- 試験区分
-
- 1. 機械金属加工
- 2. 電気電子機器組立
- 3. 金属表面処理
- 4. 紙器・段ボール箱製造
- 5. 製品製造
- 6. RPF製造
- 7. 陶磁器製品製造
- 8. 印刷・製本
- 9. 紡織製品製造
- 10. 縫製
工業製品製造業分野(工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業))の特定技能外国人の受入れ要件
工業製品製造業分野の特定技能を取得している外国人労働者は、実際にどのように働くことが可能なのでしょうか。ここでは、特定技能制度を利用して工業製品製造業で働く場合の業務内容や、事業所の受け入れる人数の上限、働くことが可能な期間、雇用契約条件などを解説していきます。
対応可能な業務
工業製品製造業分野において受け入れる特定技能外国人は、1号特定技能外国人は相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務、2号特定技能外国人は自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行することが求められます。
工業製品製造業分野特定技能1号の仕事内容
工業製品製造業分野の1号特定技能外国人が従事できる業務区分は10あります。以前は「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分でしたが、2024年3月29日の閣議決定で7区分が追加されました。また、既存3業務区分に含まれる技能として、機械金属加工区分に「強化プラスチック成形」、「金属熱処理」技能が、電気電子機器組立て区分に「強化プラスチック成形」が追加されました。
| 分野・区分 | 従事する主な業務 | 想定される関連業務 |
|---|---|---|
| 機械金属加工 | 素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事 |
・鋳造 ・鍛造 ・ダイカスト ・機械加工 ・金属プレス加工 ・工場板金 ・仕上げ ・プラスチック成形 ・機械検査 ・機械保全 ・電気機器組立て ・塗装 ・溶接 ・工業包装 ・強化プラスチック成形 ・金属熱処理業 ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 電気電子機器組立て | 電気電子機器等の製造工程、組立工程の作業に従事 |
・機械加工 ・仕上げ ・プラスチック成形 ・プリント配線板製造 ・電子機器組立て ・電気機器組立て ・機械検査 ・機械保全 ・工業包装 ・強化プラスチック成形 ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 金属表面処理 | めっき・アルミニウム陽極酸化処理などの表面処理に従事 |
・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 紙器・段ボール箱製造 | 紙器・段ボール箱の製造工程の作業に従事 |
・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| コンクリート製品製造 | コンクリート製品の製造工程の作業に従事 |
・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| RPF製造 | RPF製造などの破砕・成形等の作業に従事 |
・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 陶磁器製品製造 | 陶磁器製品の製造工程の作業に従事 |
・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 印刷・製本 | オフセット印刷、グラビア印刷、製本の製造工程の作業に従事 |
・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 紡織製品製造 | 紡織製品の製造工程の作業に従事 |
・紡績運転 ・織布運転 ・染色 ・ニット製品製造 ・たて編ニット生地製造 ・カーペット製造 ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
| 縫製 | 縫製工程の作業に従事 |
・婦人子供服製造 ・紳士服製造 ・下着類製造 ・寝具製作 ・帆布製品製造 ・布はく縫製 ・座席シート縫製 ・原材料・部品の調達・搬送作業 ・各職種の前後工程作業 ・クレーン・フォークリフト等運転作業 ・清掃・保守管理作業 |
当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えありませんが、専ら関連業務に従事することは認められません。
また、2号特定技能外国人は「機械金属加工」「電気電子機器組立て」「金属表面処理」の3区分となっており、複数の技能者を指導しながら、素形材製品や産業機械等の製造工程の作業に従事し、工程を管理する能力が求められます。
※参考:出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容(JobDescription)」、経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて(工業製品製造業分野)」
受入れ人数の上限と期間
特定技能制度は基本的に介護と建設分野以外受け入れ人数の制限はありません。工業製品製造業分野の特定技能は1号と2号があり、特定技能1号からスタートし、要件を満たすことで特定技能2号に進むことができます。特定技能1号の在留期間は通算で最長5年、特定技能2号は更新期間の制限がありません。外国人は国内外から受け入れが可能ですが、雇用契約する前に、、製造分野特定技能1号評価試験や日本語に関する試験に合格する必要があります。、製造分野特定技能1号評価試験は、試験日に17歳以上(インドネシア国籍の人は18歳以上)であることや、国内の場合は在留資格があること(短期滞在も可)が受験する条件になります。
雇用形態と労働条件
特定技能制度の雇用形態は、原則として正社員・フルタイムでの直接雇用のみです。派遣雇用が認められているのは農業分野・漁業分野だけとなっています。週5日、30時間以上の勤務が必要となり、アルバイトやパート、派遣といった短時間での雇用形態は認められていません。
受け入れ企業は、外国人と結ぶ雇用契約が適切であり労働、社会保険、租税に関する法令を順守していることや、外国人を支援する体制があることなどの受入れ基準を満たす必要があります。労働法令違反が5年以内にないことや、1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと、受入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないことなども条件となっています。 雇用契約が満たすべき基準の1つには、外国人であることを理由として報酬や労働時間、労働条件、職場環境などに差別的な取り扱いがなされていないことが必要となります。そのため、労働する特定技能外国人に支払われる報酬額は、日本人が従事する場合の額と同等以上であることが求められ、時間外手当、深夜手当、休日手当などの各種手当についても、日本人の従業員に対する待遇と同様にする必要があります。特定技能外国人が母国への一時帰国を望んだら、やむを得ない場合を除き、有給休暇を許可する必要があります。外国人が帰国の際に、渡航費の負担が難しい場合は、特定技能所属機関が負担します。
また、義務的支援として、生活オリエンテーション、出入国する際の送迎、住居の確保、生活のための日本語教育、相談・苦情、定期的な面談、転職支援(自己都合退職以外で雇用する側が人員整理をする場合など)、行政機関への通報などの海外からの入国前から出国までの就労と生活を支援する体制も、事前に支援計画の策定が必要です。
この他にも、出入国在留管理庁やハローワークに定期的または随時各種届出を提出する必要があります。たとえば定期の届出では受入れ状況や活動状況に関する届出、随時の届出では特定技能雇用契約および登録支援機関との支援委託契約に係る変更、終了、新たな契約の締結に関するものなどがあります。これらの届出をしなかったり、虚偽の届出などの違反が発覚した場合には、指導や罰則の対象となりますので注意が必要です。
参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」、「外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組」
受け入れ企業の要件
工業製品製造業分野で特定技能外国人を受け入れる場合、業務内容が厚生労働省が公表している職務記述書に適合しているかという他にも、工業製品製造業分野特有の基準に適合するなどいくつかの条件があり、その1つが一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)への入会になります。
2025年(令和7年)3月、工業製品製造業分野の運用方針が閣議決定され、受入れ機関の所属先を、従来の「製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会」から製造事業者団体等が設置する団体へ変更されることになりました。協議会はルールづくりを主に実施し、2025年7月以降は新団体(一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM))が受入れ事業所の管理、支援、技能試験の運営等を行います。
今後新規で特定技能外国人の受け入れを考えている企業は、外国人候補の探索の前に一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)に入会する必要があります。改正案では、経済産業省による報告徴収等への協力や生産性向上・国内人材確保のための取組実施なども記載されています。
参考:経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて(工業製品製造業分野)」、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「賛助会員入会」
特定技能「工業製品製造業」試験合格から就労までの流れ
ここでは、海外で工業製品製造業特定技能の在留資格を取得し日本で就労する外国人を雇用する場合と、技能実習や留学、その他の在留資格を取得し日本国内に既に在留している外国人を雇用する場合の試験合格から就労までの流れをご紹介します。
工業製品製造業特定技能で海外から来日する外国人を採用する場合
- 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
- 特定技能の外国人労働者と雇用契約を結ぶ
- 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
- 在留資格認定証明書の交付申請を地方出入国在留管理局に提出
- 在留資格認定証明書の受領
- 在外公館での査証(ビザ)発給申請
- 査証(ビザ)の受領
- 入国
- 就労開始
工業製品製造業特定技能で日本国内に在留している外国人を採用する場合
- 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
- 特定技能の外国人労働者と雇用契約
- 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
- 在留資格の変更許可申請を地方出入国在留管理局に提出
- 「特定技能1号」への在留資格変更
- 就労開始
どちらも契約締結後に受入れ機関等による事前ガイダンスや健康診断を実施し、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請をする場合は、受入れ機関の概要、特定技能雇用契約書の写し、1号特定技能外国人支援計画、日本語能力を証明する資料、技能を証明する資料などを提出します。受け入れた事業所は、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、外国人への生活支援などを適切に実施し、出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出が義務となっています。
また、フィリピン人の特定技能外国人を受け入れる場合は、独自のルールがあります。日本の受け入れ機関は、フィリピン政府からの認定を受けた送出機関を通じて人材の紹介を受け、採用活動を行うことが求められ、送出機関との間で人材の募集や雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結が求められます。また、労働条件を記載した雇用契約書のひな形、募集取決め、求人・求職票等をフィリピンの移住労働者事務所(MWO)に郵送する必要があります。
参考:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」、「フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」
特定技能「工業製品製造業分野(工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業))」の就業者条件とは?
工業製品製造業界は深刻な人手不足ではありますが、どんな外国人でも工業製品製造業特定技能の取得者になれるわけではありません。希望者が外食業特定技能を取得して働くためには、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が実施する外食業の業務で必要なスキルを問う試験や、日本語能力試験(JLPT)や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)試験などの基本的な日本語に関する試験合格などの一定の技能水準が必要になります。ここでは、外食業特定技能取得の必要な条件や技能試験についてくわしく紹介していきます。
製造分野特定技能1号評価試験と語学試験の合格が条件
外国籍の方の工業製品製造業分野の特定技能取得には、工業製品製造業の一定の専門性・技能及び日本語能力を証明するために、以下の試験両方に合格する必要があります。
- 製造分野特定技能1号評価試験
- 日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
ここでは、それぞれの試験をくわしく紹介していきます。
製造分野特定技能1号評価試験
製造分野特定技能1号評価試験の主催者は経済産業省(委託先:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)です。特定技能1号の在留資格をもって日本で製造業に従事するために、必要とされる技能を有しているか評価されます。
試験内容や学習教材
試験は、PROMETRIC(プロメトリック)が提供しているCBT(ComputerBasedTesting)方式またはペーパーテスト方式で学科試験と実技試験を行います。CBT(ComputerBasedTesting)はコンピューター上で試験の出題および解答が行われます。操作説明動画およびCBT体験版で基本的な操作方法を事前に確認することができます。試験言語は日本語(漢字はルビ付き)で80分、学科試験30問、実技試験10問の計40問が出題されます。学科試験は、問題文の内容が正しい(〇)、間違い(×)を選ぶ問題で、実技試験は、実際の作業工程や材料に関連する内容を読んで、正しい答えを選ぶ試験となってます。試験区分は、機械金属加工区分、電気電子機器組立区分、金属表面処理区分、紙器・段ボール箱製造区分、製品製造区分、RPF製造区分、陶磁器製品製造区分、印刷・製本区分、紡織製品製造区分、縫製区分の10区分あります。
| 試験区分名 | 試験内容 | 含まれる技能 |
|---|---|---|
| 機械金属加工区分 | 機械金属加工区分に関する学科および実技問題 | 鋳造、鍛造、ダイカスト、機械加工、金属プレス加工、鉄工、工場板金、仕上げ、プラスチック成形、機械検査、機械保全、電気機器組立て、塗装、溶接、工業包装、強化プラスチック成形、金属熱処理業 |
| 電気電子機器組立て区分 | 電気電子機器組立て区分に関する学科および実技問題 | 機械加工、仕上げ、プラスチック成形、プリント配線板製造、電子機器組立て、電気機器組立て、機械検査、機械保全、工業包装、強化プラスチック成形(2024年度に追加) |
| 金属表面処理区分 | 金属表面処理区分に関する学科および実技問題 | めっき、アルミニウム陽極酸化処理 |
| 紙器・段ボール箱製造区分 | 紙器・段ボール箱製造区分に関する学科および実技問題 | 紙器・段ボール箱製造 |
| コンクリート製品製造区分 | コンクリート製品製造区分に関する学科および実技問題 | コンクリート製品製造 |
| RPF製造区分 | RPF製造区分に関する学科および実技問題 | RPF製造 |
| 陶磁器製品製造区分 | 陶磁器製品製造区分に関する学科および実技問題 | 陶磁器工業製品製造 |
| 印刷・製本区分 | 印刷・製本区分に関する学科および実技問題 | 印刷、製本 |
| 紡織製品製造区分 | 紡織製品製造区分に関する学科および実技問題 | 紡績運転、織布運転、染色、ニット製品製造、たて編ニット生地製造、カーペット製造 |
| 縫製区分 | 縫製区分に関する学科および実技問題 | 婦人子供服製造、紳士服製造、下着類製造、寝具製作、帆布製品製造、布はく縫製、座席シート縫製 |
合格基準は、学科試験:満点の65%以上、実技試験:60%以上を超えると合格となります。
特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)のWebサイトでは、機械金属加工区分、電気電子機器組立区分、金属表面処理区分、紙器・段ボール箱製造区分、製品製造区分、RPF製造区分、陶磁器製品製造区分、印刷・製本区分、紡織製品製造区分、縫製区分の10区分それぞれの学科・実技のサンプル問題がPDFでダウンロードできます。このWebサイトは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が経済産業省より委託を受け、運営されています。
製造分野特定技能2号評価試験は、自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行でき、監督者として業務を統括しつつ、熟練した技能で業務を遂行できる能力を確認します。こちらも学習用参考資料が特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)のWebサイトで公開されています。
また、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)のWebサイトでは、過去の試験問題もPDFでダウンロードできます。
工業製品製造業特定技能2号の人材在留資格には2つのルートがあり、ビジネス・キャリアャリア検定3級取得と製造分野特定技能2号評価試験を合格するルートと、技能検定1級取得に合格するルートがあります。どちらのルートも日本国内に拠点を持つ企業の製造業の現場における3年以上の実務経験が必要です。
試験開催場所・開催国
工業製品製造業分野特定技能1号評価試験は、日本国内および日本国外の試験会場で実施されています。国内では全国各地、海外ではインド、インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ベトナムが開催国です。
なお、製造分野特定技能2号評価試験は日本国内のみの実施となっています。
試験日程、実施期間、受付期間、開催場所などの詳細は、PROMETRIC(プロメトリック)の専門サイトまたは特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)のWebサイトで確認できます。
受験資格
受験資格は試験日において17歳以上で、国内試験の場合は在留資格を有する方(短期滞在も含む)です。
2020年4月1日以降、国内試験の受験資格は拡大され、これまでの中長期在留者に限定されていた条件が緩和され、「短期滞在」の在留資格による入国者も受験可能になりました。国内の留学生も受験が可能です。
ただし、不法滞在者・不法残留者は受験できません。
特定技能2号試験については、試験の前日までに日本国内の製造業の現場で3年以上の実務経験と、それに係る証明書の提出が必要です。
なお、日本国籍を有する方は受験できません。また、試験に合格したとしても、必ずしも「特定技能」の在留資格が付与されるとは限りません。査証申請には外務省の審査があり、別途手続きが必要です。
申込み方法と留意事項
申込はPROMETRIC(プロメトリック)の予約サイトで行います。プロメトリックIDを作成し、試験日と地域を選択、支払いを行うと予約が完了します。
日本国内での受験には、鮮明な顔写真のアップロードが必要です。アップロードされた顔写真は、確認書や結果通知書に掲載され、試験当日の本人確認に使用されます。
支払い方法は、国によって異なり、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、eウォレット(PayPay)、バウチャーなどが利用できます。
試験当日の出欠にかかわらず、返金やバウチャーの再発行は不可です。また、本人確認書類(在留カード、パスポートなど)の不備や遅刻によって受験できなかった場合も返金はされません。
予約変更は、試験日の3営業日前の23:59(日本時間)まで可能です(土日祝を除く)。試験日が土日・祝日の場合は、4営業日前が締切となります。
予約時に登録した氏名、生年月日、国籍、性別は変更できません。プロメトリックIDやパスワードは自己管理し、第三者に知られないよう注意してください。
当日の注意点
なりすまし受験やカンニング、不正行為があった場合は失格となり、以後一定期間、試験の受験が禁止されます。スマートフォンの使用も禁止です。
試験会場への入場は試験開始の30分前から可能です。有効な本人確認書類の提示が必要で、提示できない場合は受験できません。
特にフィリピン・アテネオ大学では、以下のような服装での入場は禁止されています:
- 汚れた服
- ルーム用の短パンやシャツ
- スポーツ用の短パンやシャツ
- ノースリーブ(男性)
- 襟ぐりの深い服
- 背中の大きくあいた服
- 肩紐のない服
- へその見える服
- 極端に短いスカートやワンピース
- 極端に股上の浅いジーンズ
- スリッパ
合格発表・合格者数
合否結果通知書は、受験後5営業日以内にマイページへログインして確認してください。
不合格者は、試験日の翌日から45日間、同じ試験を再受験することはできません。
合格者数は、特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)のWebサイトで公開されている結果概要で確認できます。
参考:PROMETRIC(プロメトリック)「製造分野特定技能1号評価試験」、特定技能外国人材制度(工業製品製造業分野)「製造分野特定技能評価試験」、法務省・経済産業省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-工業製品製造業分野の基準について」、経済産業省「製造業における特定技能外国人材の受入れについて(工業製品製造業分野)」、一般社団法人工業製品製造技能人材機構(JAIM)「試験関連資料」
日本語能力試験(JLPT)・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
1号特定技能外国人に求められる日本語水準は「分野所管行政機関が定める試験等により確認する」とされており、工業製品製造業分野特定技能では日本語能力は日常会話レベルが求められるため、日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)の合格が必要です。
日本語能力試験は、文字や語彙、文法の知識や、実際のコミュニケーションがとれるかを総合的に判断する学科試験で、コンピュータを使って四肢択一の出題形式で解答するCBT(ComputerBasedTesting・コンピューター・ベースド・テスティング)⽅式で実施されます。レベルは5段階あり、工業製品製造業分野の特定技能ではN4(基本的な日本語の理解)以上が必要となります。母語が日本語でない方であれば、年齢国籍問わず受験が可能です。合格発表は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営する日本語能力試験公式サイト上で公開されています。
受験者数も多いため、学習テキストはさまざまな出版社から発行されており、公式問題集も、日本語能力試験のウェブサイトから購入可能です。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を判定する学科試験で、コンピュータを使って解答するCBT(ComputerBasedTesting)⽅式で実施されます。受験資格は、日本国籍を持たず、日本語を母語としない者であること、試験日にインドネシア国籍の方は満18歳以上、ミャンマー国籍の場合、満17歳以上である必要があります。また、日本国内で受験する場合は在留資格が必要となります。テスト結果は、当日終了後、パソコン画面に総合得点と判定結果が表示されます。
学習テキストは、日本語基礎テスト(JFT-Basic)の公式ウェブサイトで役立つ教材が紹介されています。
参考:PROMETRICSpecifiedSkilledWorkerTests「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」、国際交流基金・日本国際教育支援協会「試験科目と問題の構成」
特定技能以外の在留資格
外国人の在留資格(就労ビザ)には、特定技能制度以外にも、外国人技能実習制度が存在します。
※2024年6月、入管法改正案が成立し、技能実習制度を廃止して新たに「育成就労制度」を設けるとした方針が決定。施行は3年後の予定です。
技能実習制度
在留資格「技能実習」とは、外国人技能実習制度を利用して「技能実習生」となり、最長5年間日本に滞在するための在留資格です。監理団体を介して受け入れを行う団体監理型と企業自身で受け入れを行う企業単独型の受け入れ方法により2つに分類され、その中で1号、2号、3号と3つの区分があります。技能実習の目的は、日本の技術や知識などを本国に持ち帰って広める国際貢献のためのものであるため、母国へ帰国するのが基本となりますが、技能実習は在留期間が1号が1年以内、2号が2年以内、3号が2年以内(合計最長5年)と期間に限りがありますが、特定技能では、外食業の繁忙期が落ち着く時期に帰国してもらい、繁忙期に来てもらうなど半年ごとの業務であれば10年間(日本での労働期間が通算5年)に渡り使役が可能です。今後技能実習が廃止され、特定技能への移行を目的とした育成就労制度が施行されるため、特定技能での受け入れが増加していくでしょう。
特定技能「工業製品製造業(工業製品製造業(素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業))」の外国人材受け入れなら当社にお任せ
外国人材株式会社は、外国人材に特化した人材紹介会社で、特定技能、技能実習生ともに採用費用、ランニングコストの総額(3~5年)の総額で最安値を提供できるのが特徴です。受け入れ可能な職種は、工業製品製造業の分野をはじめさまざまな業種に対応しています。人数が多くなるほど1名当たりの管理費用(実習生:監理費、特定技能:支援費)の単価が安くなる管理費スライド制を採用。その他無駄なコストを極力削減していますので、他社と比べる時はぜひ初期の採用費用だけでなくトータルの費用で比較してみてください。また、安いだけでなくサポート体制も充実。給与水準、昇給、配属の相談、業務の切り分け、効率の良い指揮系統の作り方、失敗しないマネージメント方法の教授など、他社では行えない総合的なサポート体制を確立しております。さらに、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ミャンマーなどアジア15カ国以上の国に提携機関を持っており、その90%に求人を出すことが可能です。業種ごとに、適切な人材を熟知しているため、特定技能1号人材、技能実習生のどちらがおすすめか、また、不適切な人材の採用によるリスクを避けマッチングすることができます。まずはお気軽にご相談ください。
