ビルクリーニングの特定技能とは?受入れ要件や就業者条件、その他の在留資格も解説
人手不足とされるビルクリーニング分野で外国人が就労可能な在留資格特定技能制度。この記事では、外国人材に特化した人材紹介会社である外国人材株式会社が、ビルクリーニング分野の特定技能制度について、受入れ要件や就業者条件、特定技能「ビルクリーニング」以外の在留資格、対象施設までくわしく解説します。
目次
ビルクリーニング分野の特定技能とは?
特定技能は外国人を雇用できる在留資格制度の1つで、深刻化する人材不足の中、国内人材の確保のための取組を行っても人材を確保することが難しい12分野(14分野から再編)14業種(介護、ビルクリーニング業、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空運輸業、宿泊業、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業)の特定産業分野で受け入れていました。2024年(令和6年)3月29日、さらに物流企業などが雇用できる自動車運送業や、鉄道、林業、木材産業の4分野が追加され、16分野になることが決定しました。
ビルクリーニング業界は、建築物における衛生的環境の確保に関する法律「建築物衛生法」の適用対象となる特定建築物が年々増加しニーズが高まる一方で、ビル・建物清掃員の高齢化だけでなく、2017年(平成29年度)には有効求人倍率が全国平均2.95倍と高い状況が続き、人手不足の問題を抱えていました。この原因の1つは、女性や高齢者が他分野で就労機会を多く得られるようになったことで、ビルクリーニング分野を希望しなくなったことだと考えられています。今後さらに少子高齢化が加速し、人手不足が深刻化していくと予想され、政府は不足している即戦力人材を外国人を受け入れることで確保し人手不足を解消するために、2019年(平成31年)4月より特定技能制度を創設しました。
特定技能には、最初に取得し要件を満たしたビルメンテナンス会社等で通算5年間働くことができる1号と、1号取得後に実務経験や試験合格等で移行が可能な2号があります。2号は在留期限の上限なく働くことができます。特定技能1号は「1年、6か月、4か月」ごとのいずれか、特定技能2号の場合は「3年、1年又は6か月」ごとのいずれかに在留資格を更新する必要があります。
2号に移行できるのは2022年までは建設と造船・舶用工業の2分野のみでしたが、2023年に介護分野を除き11分野になりました。
出入国在留管理庁の発表によると、令和5年12月時点で日本社会で活躍する特定技能在留外国人の人数は全分野の特定技能1号の総数が208,425人なのに対して、ビルクリーニング分野の特定技能は3,520人とまだまだ少ない状況です。
※参考:厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」、出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和5年12月)」
ビルクリーニング分野の特定技能の概要まとめ
- 就業者条件
-
①+②(②はどちらか1つ合格)
- ①ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
- ②日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月と12月年2回開催]
- ②国際交流基金日本語基礎テスト[常時開催]
※技能試験 国内試験日程はこちら
※技能試験 国外試験日程はこちら
※JFT日本語 国内試験日程はこちら
※JFT日本語 国外試験日程はこちら※技能実習生修了者は上記①②ともに免除
- 雇用人数条件
- 無制限
- 雇用企業条件
-
- 建築物清掃業(1号登録)
- 建築物環境衛生総合管理業(8号登録)
- 特徴
- 本業界は、技能実習生のビルメンテナンスとほぼ同等です。技能評価試験の内容がある程度容易なため、特定技能を直接受験しても相当な割合で合格可能です。 特定技能と技能実習生との併用をお勧めします。タイミングと費用のバランスで人数バランスを取ることがおすすめです。 具体的には、従業員数30名以下の法人は12か月以内3名まで、3年で延べ9名まで受け入れ可能ですが、年間に4名以上求人希望の場合などは、技能実習生2名・特定技能2名(技能実習生1名・特定技能3名や技能実習生3名・特定技能1名)のような配分を検討していただく形です。 特徴としまして、特定技能の方が就業までの期間が早く、採用コストが若干安いですが、日本語検定N4or日本語基礎テスト合格が必須なため、合格者が少ない場合は紹介に時間がかかる場合があります。 技能実習生は語学試験の基準がないため、すぐに面接・採用が可能ですが、現地及び入国後に研修期間が定められています。その分の時間と費用が掛かります。
- 試験内容等
- 多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く。)の内部を対象に、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベルであることを認定するものであり、この試験の合格者は、ビルクリーニング分野において、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認める。
ビルクリーニング分野の特定技能外国人の受入れ要件
ビルクリーニング特定技能を取得している外国人労働者は、実際にどのように働くことが可能なのでしょうか。ここでは、特定技能制度を利用してビルクリーニング業界で働く場合の業務内容や、事業所の受け入れる人数の上限、働くことが可能な期間、雇用契約条件などを解説していきます。
対応可能な業務
ビルクリーニング分野において受け入れる特定技能外国人が従事するメインの業務は、住宅を除くオフィスビルやホテル、デパートやショッピングセンターなどの建築物内部(玄関、廊下、階段、トイレ、エレベーター、エスカレーターや駐車場など)の清掃に該当する建築物清掃業、または建築物内部の清掃を事業内容に含んでいる建築物環境衛生総合管理業になります。建築物清掃では、建築物の外壁や窓の清掃、給排水設備のみの清掃は行いません。
その他には、当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務として、資機材等の倉庫の整備、建物の外壁や屋上等の洗浄作業、ホテル等宿泊施設でのベッドメイクや客室整備などに携わることが可能です。ただし、これらの関連業務が特定技能外国人のメイン業務にはならないよう気をつける必要があります。
また、ビルクリーニング分野の特定技能外国人を雇用する事業者は、特定技能外国人の業務内容が厚生労働省が公表している職務記述書に適合しているかも受け入れ条件の一つとなっています。
受入れ人数の上限と期間
特定技能制度は基本的に介護分野以外受け入れ人数の制限はありません。ビルクリーニング分野の特定技能は1号と2号があり、特定技能1号からスタートし、要件を満たすことで特定技能2号に進むことができます。特定技能1号は通算で最長5年、特定技能2号は期間の制限がありません。
外国人は国内外から受け入れが可能ですが、雇用契約する前に、ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験や日本語に関する試験に合格する必要があります。ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験は、試験日に17歳以上であることや、国内の場合は在留資格があること(短期滞在も可)が受験する条件になります。
雇用形態と労働条件
ビルクリーニング分野の特定技能制度の雇用形態は、原則として正社員・フルタイムでの直接雇用のみです。派遣雇用が認められているのは農業分野・漁業分野だけとなっています。週5日、30時間以上の勤務が必要となり、アルバイトやパート、派遣といった短時間での雇用形態は認められていません。
受け入れる企業は、外国人と結ぶ雇用契約が適切であり法令順守していることや、外国人を支援する体制があることなどの受入れ基準を満たす必要があります。雇用契約が満たすべき基準の1つには、外国人であることを理由として報酬や労働条件などに差別的な取り扱いがなされていないことが必要となります。そのため、労働する特定技能外国人に支払われる報酬額は、日本人が従事する場合の額と同等以上であることが求められ、時間外手当、深夜手当、休日手当などの各種手当についても、日本人の従業員に対する待遇と同様にする必要があります。特定技能外国人が母国への一時帰国を望んだら、やむを得ない場合を除き、有給休暇を許可する必要があります。
また、生活オリエンテーション、出入国する際の送迎、住居の確保、生活のための日本語教育、相談・苦情、定期的な面談、転職支援(自己都合退職以外)、行政機関への通報などの海外からの入国前から出国までの就労と生活を支援する体制も、事前に支援計画の策定が必要です。
受け入れ企業の要件
ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受け入れる場合、業務内容が厚生労働省が公表している職務記述書に適合しているか、直接雇用であるかという他にも、建築物環境衛生総合管理業の登録、ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入などのいくつかの条件があります。ここでは、その内容を解説します。
1.建築物環境衛生総合管理業の登録
ビルクリーニング分野で特定技能外国人を受入れられるのは、都道府県より建築物清掃業の登録(建築物衛生法第12条の2第1項第1号に規定)を受けているか、建築物環境衛生総合管理業(建築物衛生法第12条の2第1項第8号に規定)の登録を受けている事業所になります。
特定技能の在留資格申請時に、このいずれかの登録証明書の提出が必要となります。
建築物環境衛生総合管理業に登録するためには、真空掃除機、床みがき機、残留塩素測定器、浮遊粉塵測定器などの物的要件や、ビルクリーニング技能検定に合格するなどで資格が取れる「統括管理者」や、空気環境測定実施者講習会修了者などがなれる「空気環境測定実施者」、清掃作業の監督を行う者としての資格である「清掃作業監督者」などの人的要件があります。
2.ビルクリーニング分野特定技能協議会の加入
特定技能所属機関は、特定技能外国人を受け入れる前に、ビルクリーニング分野特定技能協議会の構成員になる必要があります。
ビルクリーニング分野特定技能協議会は、法務省・警察庁・外務省・厚生労働省・農林水産省・国土交通省、「1号構成員」と呼ばれる受入れ企業、「2号構成員」と呼ばれる公益社団法人全国ビルメンテナンス協会によって構成されています。協議会の構成員が適切な受入れや保護をするために必要な情報を共有し、関係する機関の連携をより密接にすることや、地域の人手不足を正確に把握し、適切な受入れをするために必要な対策をとること、そして制度の運用の協議を行うことを目的としています。
特定技能所属機関は、協議会において協議が調った措置を講じること、協議会に対し必要な協力を行うこと、厚生労働省又はその委託を受けた者が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うことも受け入れ条件となっています。
参考:厚生労働省「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領」、「ビルクリーニング分野における新たな外国人材の受入れ(在留資格「特定技能」について)」、出入国在留管理庁「特定技能 ガイドブック」
特定技能「ビルクリーニング」試験合格から就労までの流れ
ここでは、海外でビルクリーニング特定技能の在留資格を取得し日本で就労する外国人を雇用する場合と、技能実習や留学、その他の在留資格を取得し日本国内に既に在留している外国人を雇用する場合の試験合格から就労までの流れをご紹介します。
ビルクリーニング特定技能で海外から来日する外国人を採用する場合
- 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
- 特定技能の外国人労働者と雇用契約を結ぶ
- 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
- 在留資格認定証明書の交付申請を地方出入国在留管理局に提出
- 在留資格認定証明書の受領
- 在外公館での査証(ビザ)発給申請
- 査証(ビザ)の受領
- 入国
- 就労開始
ビルクリーニング特定技能で日本国内に在留している外国人を採用する場合
- 外国人が試験に合格または技能実習2号を修了
- 特定技能の外国人労働者と雇用契約
- 特定技能の外国人労働者への支援計画を策定
- 在留資格の変更許可申請を地方出入国在留管理局に提出
- 「特定技能1号」への在留資格変更
- 就労開始
どちらも契約締結後に受入れ機関等による事前ガイダンスや健康診断を実施し、地方出入国在留管理局へ在留資格変更許可申請をする場合は、受入れ機関の概要 、特定技能雇用契約書の写し、1号特定技能外国人支援計画 、日本語能力を証明する資料 、技能を証明する資料などを提出します。受け入れた事業所は、外国人と結んだ雇用契約を確実に履行し、外国人への生活支援などを適切に実施し、出入国在留管理庁及びハローワークへの各種届出が義務となっています。
また、フィリピン人の特定技能外国人を受け入れる場合は、独自のルールがあります。日本の受け入れ機関は、フィリピン政府からの認定を受けた送出機関を通じて人材の紹介を受け、採用活動を行うことが求められ、送出機関との間で人材の募集や雇用に関する互いの権利義務を明確にした募集取決めの締結が求められます。また、労働条件を記載した雇用契約書のひな形、募集取決め、求人・求職票等をフィリピンの移住労働者事務所(MWO)に郵送する必要があります。
参考:出入国在留管理庁「特定技能 ガイドブック」、「フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ」
特定技能「ビルクリーニング」の就業者条件とは?
ビルクリーニング業界は深刻な人手不足ではありますが、どんな外国人でもビルクリーニング特定技能の取得者になれるわけではありません。ビルクリーニング特定技能を取得して働くためには、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会が実施するビルクリーニング業務で必要なスキルを問う試験や、日本語能力試験や国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)試験などの基本的な日本語に関する試験合格などの一定の技能水準が必要になります。ここでは、ビルクリーニング特定技能取得の必要な条件や他の在留資格を利用した場合の免除の条件などを、くわしく解説していきます。
ビルクリーニング技能試験と語学試験の合格が条件
外国籍の方のビルクリーニング分野の特定技能取得には、ビルクリーニングの一定の専門性・技能及び日本語能力を証明するために、以下の試験両方に合格する必要があります。
- ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
- 日本語能力試験(N4以上)もしくは国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
- 就業者条件
-
①+②(②はどちらか1つ合格)
- ①ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
- ②日本語能力試験(JLPT)4級(N4)以上[国内外で7月と12月年2回開催]
- ②国際交流基金日本語基礎テスト[常時開催]
※技能試験 国内試験日程はこちら
※技能試験 国外試験日程はこちら
※JFT日本語 国内試験日程はこちら
※JFT日本語 国外試験日程はこちら※技能実習生修了者は上記①②ともに免除
ここでは、それぞれの試験をくわしく紹介していきます。
1.ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験
ビルクリーニング分野特定技能試験は、オフィスビルや病院、商業施設など多数の利用者が利用する建築物(住宅を除く)の内部を対象に、 場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、作業手順に基づき、自らの判断により、 方法、洗剤及び用具を適切に選択して清掃作業を遂行できるレベルであることを認定するものです。
受験者は、日本語(漢字にひらがなルビあり)による実技試験(判断試験・作業試験)を行い合否が決まります。この試験の合格者は、ビルクリーニング分野において、一定の専門性・技能を用いて即戦力として稼働するために必要な知識や経験を有するものと認められます。出題内容はある程度容易なため、特定技能を直接受験しても相当な割合で合格可能でしょう。
この試験は、厚労省と公益社団法人全国ビルメンテナンス協会 Japan Building Maintenance Association(略称:JBMA)が連携し、協会が運営しているビルメンテナンス関連の総合サイト「ビルメンWEB」では、最新の試験日や申込受付期間、国内国外の開催国それぞれの受検案内などの試験情報(日本国政府や開催国政府指示により変更あり)が公開されています。
試験科目と合格基準
試験は判断試験と作業試験に分けて実技試験を行います。実技のみで学科試験はありません。受験者は、判断試験24点、作業試験36点の基準点を超えることで合格となります。
判断試験は制限時間は20分で、ペーパー試験に書かれた状況において写真やイラストなどで判断します。
作業試験は標準時間は10分で、制限時間は12分で、床面の定期清掃作業、ガラス面の定期洗浄作業、洋式大便器の日常清掃作業のすべてを行います。標準時間の10分を超えると減点となり、12分を超えると失格となります。合格発表はビルメンWEB上で公開されています。特定技能ビザの申請における必要書類のひとつである合格証明書の発行には、発行手数料の納付から約1〜2週間程度かかるため注意が必要です。
試験会場
試験会場は、日本国内ではビルメンテナンス会館(東京都荒川区西日暮里5-12-5)が東京会場として試験が実施され(2024年度7月試験)、2024年度4月試験は、北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、徳島、福岡で開催されました。海外では、インドネシア、フィリピン、タイ王国、スリランカの各国に会場があります。ミャンマーとカンボジアでも以前は実施されていましたが、今後の実施については未定となっています(2024年6月時点)。実際の受験では、受験票を必ず確認し、日程や場所を間違えないように注意しましょう。
受験資格
受験資格は、試験日において17歳以上で、国内試験の場合は在留資格を有している方(「短期滞在」の在留資格も含む)となります。これまでは、日本国内での受験対象者は、中長期在留者か過去に中長期在留者として在留していた経験がある方に限られていましたが、2020年(令和2年)4月1日以降の国内試験から受験資格が拡大されました。これにより、受験を目的として「短期滞在」の在留資格により入国し、受験することが可能になりました。
申し込みは、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会のホームページから申請ができます。氏名・生年月日・性別・国籍・住居所在地などの情報の他に、在留カード番号・パスポート番号などが必要となります。募集定員を超えると先着順となり、期間内でも終了する場合があるため、受験を希望する人は早めに申し込みを済ませておきましょう。
学習参考資料
判断試験の学習テキストや過去問題や解答は、公益社団法人全国ビルメンテナンス協会のホームページから閲覧やダウンロードができ(日本語版、英語版、インドネシア語版、クメール語版、ミャンマー語版、ベトナム語版、ネパール語版、タイ語版、シンハラ語版)、作業試験の訓練用動画は、建築物管理訓練センターのホームページより購入ができます。
また、ビルクリーニング分野の特定技能2号の在留資格得るためには、「ビルクリーニング分野特定技能2号評価試験」に合格するか、国家資格である「ビルクリーニング技能検定(ビルクリーニング技能士)1級試験」に合格した上で、現場管理の実務経験が証明される必要があります。
その他の経験者向けの清掃やビルの管理の資格には、すでに清掃の仕事をしている人向けの「病院清掃受託責任者」や、ビルの設備管理や衛生管理を統括する「建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)」、建築物維持管理業務における清掃作業品質や業務管理体制を評価・改善する「建築物清掃管理評価資格者(インスペクター)」、一般財団法人建築物管理訓練センターで開催され、電気、空調、給排水、建築など、ビル管理に関する幅広い知識が問われる「ビル設備管理技能士」、学校や病院、映画館、ホテル、デパート、オフィスビルなどの特定建築物を定期的に点検・検査し、特定行政庁へ報告することができる国家資格「特定建築物調査員」や、日本建築防災協が講習を開催している防火設備定期検査を行うことができる国家資格「防火設備検査員」などがあります。
2.日本語能力試験・国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
日本語能力試験は、文字や語彙、文法の知識や、実際のコミュニケーションがとれるかを総合的に判断する学科試験で、コンピュータを使って四肢択一で解答するCBT(Computer Based Testing/コンピューター・ベースド・テスティング)⽅式で実施されます。レベルは5段階あり、ビルクリーニング分野の特定技能ではN4(基本的な日本語の理解)以上が必要となります。母語が日本語でない方であれば、年齢国籍問わず受験が可能です。合格発表は、国際交流基金と日本国際教育支援協会が運営する日本語能力試験公式サイト上で公開されています。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)は、日本国内での生活の場面で求められる日本語のコミュニケーション能力を判定する学科試験で、コンピュータを使って解答するCBT(Computer Based Testing)⽅式で実施されます。受験資格は、日本国籍を持たず、日本語を母語としない者であること、試験日にインドネシア国籍の方は満18歳以上、ミャンマー国籍の場合、満17歳以上である必要があります。また、日本国内で受験する場合は在留資格が必要となります。テスト結果は、当日終了後、パソコン画面に総合得点と判定結果が表示されます。
参考:PROMETRIC Specified Skilled Worker Tests「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)」、国際交流基金・日本国際教育支援協会「試験科目と問題の構成」
試験免除の要件
外国人の在留資格は、特定技能の他に海外への技能移転を目的としている技能実習があります。「ビルクリーニング職種、ビルクリーニング作業」の第2号技能実習を良好に修了した外国人は、技能実習の作業内容と特定技能1号の業務内容において、場所、部位、建材、汚れ等の違いに対し、クリーニングの方法や、洗剤や用具を適切に選択して清掃作業を行うなどの点において関連性が認められることから、ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験が免除されます。
参考:厚生労働省「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」、「ビルクリーニング分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」に係る運用要領、出入国在留管理庁「特定技能 ガイドブック」
特定技能ビルクリーニング以外の在留資格「技能実習」
就業者条件の試験免除の要件でもご紹介しましたが、ビルクリーニング分野の在留資格には、特定技能制度以外にも、外国人技能実習制度が存在します。
特定技能人材は絶対数が少ないため、技能実習生の受け入れを先にご検討いただくことをお勧めいたします。
※2024年6月、技能実習制度を廃止して新たに「育成就労制度」を設けるとした方針が決定。施行は3年後の予定で、ビルクリーニングも対象となる見込みです。
ビルクリーニング技能実習生とは
在留資格「技能実習」とは、外国人技能実習制度を利用して「技能実習生」となり、最長5年間日本に滞在するための在留資格です。監理団体を介して受け入れを行う団体監理型と企業自身で受け入れを行う企業単独型の受け入れ方法により2つに分類され、その中で1号、2号、3号と3つの区分があります。技能実習の目的は、日本の技術や知識などを本国に持ち帰って広める国際貢献のためのものであるため、母国へ帰国するのが基本となりますが、ビルクリーニング分野の技能実習制度の2号を修了した外国人は、日本から出国せずビルクリーニング特定技能に移行することも可能です。
特定技能の方が就業までの期間が早く、採用コストが若干安いですが、日本語検定N4or日本語基礎テスト合格が必須なため、合格者が少ない場合は紹介に時間がかかる場合があります。 技能実習生は語学試験の基準がないため、すぐに面接・採用が可能ですが、現地及び入国後に研修期間が定められています。その分の時間と費用が掛かります。
特定技能と技能実習生は併用がおすすめで、タイミングと費用のバランスで人数バランスを取りましょう。 具体的には、従業員数30名以下の法人は12ヶ月以内3名まで、3年で延べ9名まで受け入れ可能ですが、年間に4名以上求人希望の場合などは、技能実習生2名・特定技能2名(技能実習生1名・特定技能3名や技能実習生3名・特定技能1名)のような配分を検討していただく形になります。
雇用企業の条件は以下の通りです。
- 従業員数30名以下の法人は12か月以内3名まで、3年で延べ9名まで受け入れ可能
- 建築物清掃業(1号登録)or建築物環境衛生総合管理業(8号登録)のどちらかの登録が必要です。
内容としては、床みがき機の所有と担当者が研修を受けることが最低条件となります。
ビルクリーニング技能実習生が可能な業務
ビルクリーニング技能実習生が可能な業務は、特定技能と同様、戸建て、集合住宅などの住宅を除く不特定多数の利用者が利用するオフィスビルやホテルなどの建築物の清掃作業です。衛生的環境の保護、美観の維持、安全の確保及び保全の向上を目的として、場所、建材、汚れ等の違いに対し、方法、洗剤及び用具を適切に選択して場所別及び部位別の清掃作業を行います。
また、必要に応じて、ベッドメイク作業や資機材倉庫の整備作業、建物外部洗浄作業(外壁、屋上等)などの関連業務もおこないます。
特定技能「ビルクリーニング」の外国人材受け入れなら当社にお任せ
外国人材株式会社は、外国人材に特化した人材紹介会社で、特定技能、技能実習生ともに採用費用、ランニングコストの総額(3~5年)の総額で最安値を提供できるのが特徴です。受け入れ可能な職種は、ビルクリーニングの分野をはじめさまざまな業種に対応しています。人数が多くなるほど1名当たりの管理費用(実習生:監理費、特定技能:支援費)の単価が安くなる管理費スライド制を採用。その他無駄なコストを極力削減していますので、他社と比べる時はぜひ初期の採用費用だけでなくトータルの費用で比較してみてください。また、安いだけでなくサポート体制も充実。給与水準、昇給、配属の相談、業務の切り分け、効率の良い指揮系統の作り方、失敗しないマネージメント方法の教授など、他社では行えないサポート体制を確立しております。
さらに、ベトナム、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ミャンマーなどアジア15カ国以上の国に提携機関を持っており、その90%に求人を出すことが可能です。業種ごとに、適切な人材を熟知しているため、特定技能1号人材、技能実習生のどちらがおすすめか、また、不適切な人材の採用によるリスクを避けることができます。まずはお気軽にご相談ください。